子育てママは仕事を辞めるべき?

子育てを理由に仕事を辞めると後悔する?退職前に検討したいこと

「子育てに専念するために、仕事を辞めたほうがいいのかな…」
「子育てをきっかけに仕事を辞めて、後悔しないかな?」

保育園からの急な呼び出し、残業との板挟み、ワンオペ育児の疲労…。子育てと仕事の両立に悩み、退職を考える人も少なくありません。

しかし、退職は大きな決断ですよね。「仕事を続けるか、辞めるか」の選択は、それぞれの置かれている状況によって異なります。

本記事では、子育てが理由で仕事を辞めた人の割合や、実際に辞めた人のリアルな口コミ、子育てを機に仕事を辞めるメリット・デメリットについて解説します。

退職する前に考えるべきポイントもお伝えするため、仕事を辞めて後悔するリスクを減らせるでしょう。ぜひ参考にしてください。

子育てが理由で仕事を辞める人の割合は?

内閣府男女共同参画局がおこなった2017年の調査によると、第1子出産を機に仕事を辞める女性は、依然として46.9%と高い水準にあります。

しかし、仕事を辞めずにそのまま継続する人数も着実に上昇しており、2010〜14年では53.1%となりました。特に、育児休業制度を利用して続ける人が多く、28.3%へと大きく増加しています。

1985〜89年には就業継続率が24.1%だったのに対し、現在は倍以上に上昇。育児休業制度の充実や、働き方改革の進展が、仕事を辞めずに続けたいママたちの期待にこたえています。

ただし、まだ半数近くの女性が出産を機に退職しているのが現状です。子育てと仕事を両立するためのさらなる支援が必要なことを示しています。

子育て中、仕事を辞めたいと思う瞬間とは?

仕事と育児の両立に悩むワーキングマザーの多くが、日々の生活の中で仕事を辞めたい瞬間を経験します。子どもとの時間が十分に取れなかったり、ワンオペ育児で疲れ果てたりと、様々な場面でストレスを感じています。

ワーキングマザーが、子育てが理由で仕事を辞めたいと思う主なきっかけを紹介します。

子どもとの時間が十分に取れない

平日は子どもとの時間が圧倒的に不足しています。文部科学省の調査によると、平日に子どもと過ごせる時間は、約半数の家庭が2時間未満であることが明らかになりました。

引用元:家庭教育の総合的推進 | 文部科学省

休日でさえ、約3割の家庭において、子どもと過ごす時間が3時間未満にとどまっています。平日が仕事で忙しく、休日にまとめて家事や買い物に追われていることが原因です。子どもと向き合う余裕が持てないことで、不安や焦りを感じ、仕事を辞めたいと思うきっかけになります。

仕事のストレスが限界に達している

子育てと仕事との両立に追われる生活は、強いストレスに悩まされます。子どもの体調不良時に必要な急な休みへの職場の理解が得られない、保育園のお迎えまでに業務を終わらせるプレッシャー、突発的な残業への対応などが、精神的な限界に達するかもしれません。

とりわけ正社員の女性は、時間的制約がありながらも、従来通りの業務遂行を求められるケースが多く、仕事の質や成果を維持することに大きなプレッシャーを感じます。

キャリアを諦めたくない思いと、子どもとの時間を確保したい気持ちの間で板挟みとなり、心理的な負荷が高まってしまいます。

ワンオペ育児で心身ともに疲弊している

仕事をしながら保育園の送迎、食事の準備、入浴、寝かしつけなど、家事や育児に関わる全てを一人でこなす状況が続くと、当然、心も体も疲れ果ててしまいます。子育てと仕事の両立に限界を感じ、退職を考えるのも無理はありません。

厚生労働省の調査によると、男性正社員の約36%が家事時間30分未満なのに対し、女性正社員は約58%が2時間以上の家事を担っています。子どもが2人以上になると、その差はさらに広がり、女性の家事負担は一層増加します。

特に、子どもの体調不良時は仕事との調整も必要で、精神的な負担が大きくなります。体調不良や不眠、イライラが増え、子どもへの対応も思うようにいかなくなることも。心身の疲労が重なり、退職を考えるきっかけにつながります。

子育てを機に仕事を辞めるメリット

子育てに専念することで、子どものために使える時間が増えるのはもちろんのこと、自分自身の時間も確保できます。子育てを機に仕事を辞めるメリットを見ていきましょう。

子育てに専念できる

仕事を辞めることで、子どもの成長をゆっくり見守る時間が生まれます。朝は慌ただしい保育園の送迎から解放され、子どもと一緒に朝食を楽しんだり、近所の公園で遊んだりする余裕が持てるようになります。体調不良の連絡にも焦ることなく、すぐに対応できる安心感を持てるのもメリットです。

また、平日の育児サークルや幼児教室に通うなど、子どもの興味に合わせた活動を取り入れやすくなります。同じ年頃の子どもを持つ保護者との交流も増えるため、子育ての情報交換や仲間作りの機会も広がりも期待できるでしょう。

仕事を辞めて子育てに向き合うことで、子どもの些細な変化にも気づきやすくなります。食事の好み、体調の変化、友だち関係の悩みなど、子どもの小さなサインを見逃さず対応することも可能です。

両立による負担が減る

仕事と子育ての両立から生まれる、時間的なプレッシャーから解放されます。保育園からの急な呼び出しにも慌てる必要もなく、子どもの体調に合わせて看病できるため安心です。時間に追われず家事をこなせることで、精神的な負担が軽くなります。

夜遅くまでの残業や休日出勤がなくなると、規則正しいリズムで生活できます。心にゆとりが生まれ、子どもへの接し方も自然と穏やかになるでしょう。体調管理や運動など、自分の健康を考える時間も確保できるのは嬉しいですね。

仕事と子育ての両立だと、毎日のスケジュールがタイトになります。しかし、仕事の負担が減るため、自分のペースでスケジュールを組み立てることが可能です。天候や体調に応じて柔軟に家事を進められ、充実した日々を過ごせるはずです。

家族との絆が深まる

子どもと向き合う時間だけでなく、家族との時間も十分に確保できます。朝の支度や食事の時間は落ち着いて過ごせるため、家族の会話が自然と増えますね。以前は仕事に充てていた時間でいっしょに買い物に出かけたり、料理をしたりすることでスキンシップの機会も増えます。

夕方は落ち着いて食事の支度ができ、家族で食卓を囲む時間を大切にできます。子どもの好みに合わせた献立作りや、会話を楽しむ食事時間など、家族の交流がさらに深まるでしょう。

子育てを機に仕事を辞めるデメリット

子育てに専念できる一方で、収入が減ったり、再就職が難しかったりといったデメリットがあります。子育てを機に仕事を辞めるデメリットもチェックしていきましょう。

収入が減る

仕事を辞めることで世帯収入が少なくなり、家計への影響は大きいです。生活費や子どもの教育費、住宅ローンの返済などの出費に対して、不安に思うかもしれません。

退職後は、社会保険の切り替えも必要となります。配偶者の扶養に入る場合、健康保険料の負担は減りますが、国民年金は第3号被保険者への変更手続きが必須です。将来の年金受給額にも影響するため、パートタイム就労なども視野に入れた計画を立てましょう。

支出面では、通勤費や職場での出費がなくなる一方、光熱費は増える傾向にあるため、家計簿をつけて収支バランスを整える必要があります。

再就職へのハードル

一度退職すると、希望する職場への再就職には課題が伴います。ブランクによる業界知識やスキルの低下、勤務時間の制約、保育園探しなど、様々な壁が立ちはだかるでしょう。育児と両立できる職場を見つけることも必要です。

復職時期は、子どもの年齢や保育施設の状況に大きく左右されます。保育園の入園には年度や自治体による制約があるため、事前に情報収集と対策を練っておくことが重要です。

社会との接点が減る

以前はあった職場での人間関係がなくなり、社会との接点が少なくなります。家事と育児に専念することで、大人との会話や外出の機会が自然と減少するため、社会から孤立しやすい環境になるでしょう。

孤独感を抱えないよう、積極的に社会との関わりを見つけることが求められます。地域の子育て支援センターや児童館の利用がおすすめです。同年代の子どもを持つ親との交流は、育児の情報交換だけでなく、精神的な支えにもなります。区役所や市民センターの子育てサークルも、地域とのつながりを作る機会になるでしょう。

外出の機会を意識的に作ることも大切です。公園で子どもを遊ばせながら保護者同士で交流したり、図書館の読み聞かせ会に参加したりと、無理のない範囲で社会との接点を保つことが望ましいです。

子育てを機に仕事を辞めた人は後悔している?

厚生労働省が行った「仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査」によると、子育てを機に仕事を辞めた人の30%が「あまり後悔していない」と回答し、約28%が「全く後悔していない」と答えています。

一方で、約26%が「やや後悔している」、約5%が「とても後悔している」と感じています。「後悔している」と回答した人の理由には「経済的に厳しくなった」や「今後再就職しようとしても良い就職先がない」といった回答が多く見られました。

子育てが理由で仕事を辞めた人の口コミ

実際に、子育てをきっかけに仕事を辞めた人の声を集めてみました。子どものためにも辞めてよかったと思っている人もいますが、キャリアの問題で辞めなければよかったと後悔している人もいます。

仕事を辞めて良かったと感じた人、後悔している人、それぞれの声を紹介します。

辞めた良かった人

辞めて後悔している人

仕事を辞める前に考えるべきこと

「やっぱり仕事を辞めなければよかった…」と後悔しないためにも、仕事を辞める前に経済面やキャリアの面など、多方面から考える必要があります。

ここでは退職前に検討すべきことを紹介していきます。

家計に影響が出ないか

共働き世帯から一人の収入がなくなることで、家計は大きく変化します。子どもの教育費や日々の生活費、住宅ローンの返済など、今後の支出を考えると不安になるかもしれません。まずは、現在の収支をしっかりと把握することが大切です。

家計の見直しでは、固定費の削減がポイントとなります。光熱費や通信費、サブスクリプションなど、支払い習慣になっている項目の見直しが必要です。一方で、今まで必要だった通勤費用や職場での出費、お弁当代がなくなるため、支出のバランスも変わります。

子育てを機に仕事を辞めたとしても、パートタイムとして収入を得る選択肢もあります。専業主婦でも加入できる保険プラン、教育資金の積立方法など、家計の状況に応じた対策を立てることが望ましいでしょう。

社会とのつながりを失わないか

職場を離れることで、人間関係の環境は大きく変化します。同僚との会話や業務を通じたコミュニケーションの機会がなくなり、孤独感を覚えるかもしれません。特に、在宅での育児に専念する期間は、大人との交流機会が減少するため、意識的に外出する機会を作ることが大切です。

SNSやオンラインコミュニティを活用すれば、時間や場所を気にせず交流できます。子育ての合間に趣味の情報を共有したり、育児の悩みを相談したりと、新しいつながりが生まれるはずです。

また、自治体が主催する子育て世代向けの講座やイベントは、地域の仲間作りのきっかけとなります。子育て中でもできる習い事やボランティア活動への参加について、事前に調べておくと良いでしょう。

再就職は難しくないか

退職後のキャリアプランに不安を感じる方は多くいます。

  • いつ職場復帰するか
  • どんな働き方を選ぶか
  • ブランクを埋めるにはどうすればよいか

といった将来の見通しが立てにくい点が悩みどころです。

子育て後の働き方は、パートタイムから始めて徐々にフルタイムへ移行したり、在宅ワークを組み合わせたりと、柔軟な選択肢が増えています。まずは家族の生活リズムを整え、自分に合った働き方を探ることが大切でしょう。企業側も時短勤務やフレックスタイムなど、育児との両立支援制度を充実させています。

将来のキャリアに向けて、育児中からできる準備もあります。オンラインで受講できる資格講座や、子育て仲間とのコミュニティ作り、最新の業界情報のキャッチアップなど、無理のない範囲で始められることから取り組むのがおすすめです。

退職が根本的な解決になるか

仕事を辞めることで、時間的な余裕は生まれますが、新たな課題も見えてきます。収入の減少、社会との接点の低下、将来のキャリアへの影響など、長期的な視点で考えることが大切です。

子育ての悩みも、退職だけでは解決できない場合があります。保育園の送迎や急な発熱への対応は解消できても、育児の孤立感や子育ての不安は残るかもしれません。むしろ、職場では相談相手がいたり、働くこと自体が生活のリズムを整えていたりする部分もあります。

退職する前に、現在の職場で「両立支援制度」がないか確認することが大切です。育児休暇だけでなく、時短勤務、在宅ワークなど、働き方の見直しができる可能性があります。上司や人事部門に相談し、自分に合った制度を探ることで、新たな選択肢が見つかるかもしれません。

仕事を辞める以外の選択肢もある

まずは現在の働き方を見直し、自分に合った選択肢を探りましょう。正社員ではない就業形態へ変更したり、時短勤務を活用したりすることを検討します。ほかにも、転職やフリーランスへの移行など、子育てと両立できる働き方は広がっています。

また、子育てと仕事を両立させるためには、環境作りも重要です。

  • 配偶者の理解や協力
  • 保育園などの子育て支援サービスの活用
  • 家事の外部委託など

世の中にあるサービスや職場の制度などをうまく活用しながら、段階的に働き方を変えていく方法もおすすめです。

一つの選択肢に絞らず、複数の可能性を検討することで、より良い解決策が見つかるかもしれません。育児と仕事、どちらも大切にしながら自分らしい働き方を見つけることが、長期的な視点では重要です。ここでは単に仕事を辞める以外の選択肢を紹介します。

転職

子育てと両立しやすい職場への転職は、キャリアを諦めないためにも最適な選択肢の一つです。「通勤時間が短い職場」や「在宅勤務制度が整っている会社」など働く環境を変えることで、状況を改善できる可能性があります。

転職先を探す際は、次のポイントをチェックすることが大切です。

  • 残業の少なさ
  • 有給休暇の取得率
  • 育児支援制度の充実度
  • 職場の雰囲気
  • 子育て中の社員の在籍状況

近年は、育児との両立を重視する企業も増えており、産休・育休取得後の復帰プランが整備されています。転職サイトやハローワークでも、仕事と育児の両立に関する求人情報が充実しているため、理想の職場がきっと見つかるでしょう。

時短勤務

時短勤務制度を利用すれば、フルタイム勤務より短い時間で働くことができます。3歳未満の子を持つ労働者は、1日6時間の短時間勤務を申請できる権利が法律で保障されています。保育園の送迎時間に合わせた勤務時間の調整が可能です。

ただし、給与は勤務時間に応じて減額されるため、家計への影響を考慮する必要があります。また、時短勤務中の業務量の調整や、周囲との連携方法についても、上司や同僚とよく話し合うことが大切です。残業が発生しないよう、仕事の優先順位付けも重要でしょう。

多くの企業では、小学校入学前まで時短勤務を延長できる制度を設けています。子どもの成長に合わせて、徐々に勤務時間を延ばしていく働き方も可能です。まずは人事部門に相談し、自社の制度を確認してみましょう。

フリーランス

フリーランスは、子育てに合わせた柔軟な働き方を実現できる選択肢です。「すきま時間」を活用した在宅ワークや、特定の曜日・時間帯に絞った業務委託など、育児との両立を図りやすい特徴があります。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が発表した「フリーランス白書2024」によると、フリーランスの50.2%が女性であることが判明しました。また、子育て世代である30代が23.7%、40代が33.2%がフリーランスとして働いていることからも「子育てと仕事を両立させる働き方」として期待できます。

2024年11月1日に施行されたフリーランス新法により、育児・出産等を理由とした不当な契約解除が禁止となりました。子育てをしながらフリーランスとして生計を立てるために、働き手の保護が強化されています。フリーランスに挑戦したい人にとって、安心の体制が整っています。

フリーランスは、完全在宅のフルリモートで働くことが可能です。在宅勤務にすることで、子育てと仕事を両立させやすくなります。キャリモでは、キャリア女性向けにフルリモートで働ける高単価の業務委託案件を紹介しています。

キャリモの特徴としては、営業事務、秘書、人事、広報など様々な職種のアシスタントポジションで参画いただけることです。また、フルタイム以外にも「週3×1日6時間」や「週5×1日4時間」など働き方を柔軟に選べます。

報酬形態も準委任契約(時給制)のため、安定した収入確保が実現できます。正社員の経験が長く、月給や時給などの給与制に慣れている人でも安心ですね。

まとめ

本記事では、子育てで仕事を辞める際に考えるべきポイントを紹介しました。一人ひとりの状況によって、最適な選択肢が異なります。

退職する前に、時短勤務や転職、フリーランスなど、様々な働き方の可能性を検討してみましょう。大切なのは、長期的な視点で自分と家族にとってベストな選択を考えることです。

収入面での影響、将来のキャリア、子どもとの時間、心身の健康など、多角的な観点から判断する必要があります。キャリモなどのプラットフォームを活用することで、収入の心配なく、フルリモートの仕事を見つけることが可能です。

子育てと仕事を両立できる理想のスタイルを見つけ、充実した人生を目指しましょう。