「フルリモートでの転職、本当に実現できるのだろうか…」
「自分に合った働き方かもしれないけれど、何だか難しそう…」
そんな不安や疑問を抱えているのではないでしょうか。
フルリモート転職は、正しい知識と準備があれば、決して乗り越えられない壁ではありません。むしろ、あなたらしいキャリアを築くための大きなチャンスとなり得ます。
この記事では、フルリモートに転職するメリット・デメリットだけでなく、転職活動を成功に導くための実践的なポイントまで詳しく解説します。
手探りで転職活動を進めてしまうと、貴重な時間や労力を無駄にしてしまったり、自分に合わない企業を選んで後悔したりするかもしれません。
せっかくのキャリアチェンジの機会を最大限に活かすためにも、ぜひ最後までお読みください。
フルリモート勤務とは、従業員が会社のオフィスへ日常的に出社せず、自宅やコワーキングスペースなど、場所にとらわれずに業務を遂行する働き方です。
インターネット環境とパソコン、必要なツールがあれば、どこでも仕事を進められる点が大きな特徴と言えるでしょう。
近年、このようなフルリモート勤務への関心と需要が高まりを見せています。情報通信技術の発展、とくにクラウドサービスやコミュニケーションツールの普及が、場所を選ばない働き方を現実のものとしました。
さらに、社会全体の働き方改革の流れや、事業継続の観点からも注目が集まり、企業が導入を進めるケースが増えています。
フルリモートの仕事へ転職しようとすると、「意外と難しい」という声を聞くことも少なくありません。「フルリモートでの転職が難しい」と感じられる背景には、以下のような理由が存在します。
企業側はフルリモートに適した人材を慎重に見極めようとするため、求められるスキルや経験のハードルが上がる場合もあります。
フルリモート勤務を導入している企業は、新型コロナウイルス感染症の拡大期と比較して、減少傾向にあります。
国土交通省が行ったテレワーク人口実態調査によると、テレワークの実施率はコロナ禍のピーク時からは「揺り戻し」が見られ、直近1年間で見ると各地域で減少しています。
ただし、全国平均で見ると、コロナ禍以前のテレワーク経験者の割合と比べて、依然として高い水準を維持しているという側面もあります。完全なオフィス回帰というわけではなく、一部企業ではテレワークを継続しているのが現状です。
つまり、フルリモート勤務を継続する企業の総数が「一定数に落ち着いた」ことによって、求職者にとっては以前よりも選択肢が限られてくるため、結果としてフルリモートでの転職が難しくなっていると言えるでしょう。
テレワークを経験した人の中には、「コミュニケーションがとりづらく、業務効率が低下する」と感じる方が少なくありません。
国土交通省のテレワーク人口実態調査によると、約43%の人が「コミュニケーションがとりづらい」と回答していることからも、多くの人が実感している課題であるとわかります。
オフィス勤務であれば、同僚へ気軽に声をかけたり、休憩中に雑談をしたり、自然と情報共有や意思疎通が図れます。
しかし、フルリモート環境では、主にチャットやビデオ会議といったツールを介したコミュニケーションとなるため、相手の表情や声のトーンから細かいニュアンスを読み取ることが難しくなりがちです。
その結果、誤解が生じやすくなったり、認識のすれ違いから業務の手戻りが発生したりする可能性があります。
したがって、フルリモート求人の採用では、候補者に対して特に高いオンラインコミュニケーション能力を求める傾向があり、これが転職のハードルを上げている一因と考えられます。
自宅など個人の空間で働くフルリモートでは、仕事とプライベートの境界線が曖昧になりがちです。生活空間の中に仕事を持ち込む形になるため、集中力の維持や時間管理が個人の裁量に大きく委ねられるでしょう。
企業側は、社員の姿が直接見えないフルリモート環境において、社員が自律的に業務に取り組み、期待される成果を出すことを強く求めます。
そのため、採用選考の段階で、候補者の自己管理能力や計画性、責任感といった側面を過去の経験などから慎重に見極めようとします。
これらの能力を具体的に示すことができなければ、企業が求める水準に達していないと判断されるため、フルリモート転職は難しいと捉えられてしまうのです。
フルリモートの求人は、通勤の必要がないといった魅力から、居住地を問わず多くの求職者が応募するため、競争率が非常に高くなることが一般的です。
企業側としては、多数の応募者の中から「最適な人材を効率的に選び出す」必要があるため、必然的に選考基準を引き上げる傾向にあります。
とくに、フルリモートでは社員の働きぶりを直接確認したり、細やかなOJTを実施したりすることがオフィス勤務に比べて難しいため、企業は候補者に対して、即戦力となる「専門的なスキル」や「豊富な実務経験」を強く求めます。
高い能力や豊富な経験を、職務経歴書やオンライン面接で的確にアピールするのは容易ではありません。結果として、フルリモートでの転職は狭き門となっているのが現状です。
フルリモートへの転職を考える際、自分自身の特性を理解し、フルリモートという環境で能力を発揮できるか見極めることが大切です。
一般的に、フルリモートに向いているとされる人の特徴には、下記のようなものがあります。
キャリモでは、あなたのフルリモート適性を客観的に診断できる「フルリモート適正診断」を提供しています。
いくつかの質問に答えるだけで、ご自身の強みや課題、フルリモートワークへの向き合い方について、より深い気づきを得られるかもしれません。
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フルリモートでの転職は、時間や場所の制約から解放され、より柔軟で効率的な働き方を実現できる可能性を秘めています。
具体的には、下記のようなメリットがあります。
多くの方が、ワークライフバランスの向上・生産性の向上を実感しており、現代の多様なライフスタイルに合致した働き方と言えるでしょう。
フルリモートに転職した場合、これまで往復の通勤に費やしていた時間が、すべて自分や家族のために使える「自由な時間」へと変わります。
たとえば、下記のような時間の使い方ができるでしょう。
また、満員電車のストレスや交通遅延によるイライラからも解放されるため、精神的な負担が大幅に軽減されるかもしれません。
朝の時間をゆったりと過ごせるようになり、心に余裕を持って一日の仕事をスタートできるようになります。
フルリモートに転職すると自宅で仕事ができるため、時間の使い方に柔軟性が生まれます。
たとえば、仕事の合間に洗濯物を取り込んだり、夕食の準備を少し進めたりといった細切れの家事をこなしやすくなります。
また、子どもの急な発熱や学校行事への参加、家族の通院の付き添いなど、突発的な家庭の事情にも対応しやすくなるでしょう。企業や職種、チームのルールにもよりますが、中抜け制度などを活用して、日中の必要な時間帯に家事や育児、介護に時間を充て、その後再び業務に戻るといった働き方も可能になる場合があります。
これまで時間的な制約からキャリアを諦めかけていた人も、仕事と家庭生活のバランスを取りながら働き続ける道が開けるかもしれません。
仕事とプライベートの調和が図れることで、精神的なゆとりが生まれ、結果として仕事への集中力やモチベーションの向上にもつながる可能性があります。
フルリモートワークへ転職するメリットの一つに、自分自身が最も集中できる仕事環境を整えやすい点が挙げられます。
従来のオフィス環境では、周囲の話し声や電話の音、頻繁な声かけなど、意図せず集中が途切れてしまう要因が少なくありませんでした。
しかし、フルリモートであれば、自宅の静かな部屋を選んだり、自分にとって最適なデスクや椅子・照明器具を揃えたりと、作業環境を自由にカスタマイズできます。
また、休憩のタイミングも自分の裁量で決めやすいため、最も効率が良いと感じるリズムで仕事を進めることができます。
このような自分専用に最適化された環境で働くことは、思考を深めたり、複雑な作業に取り組んだりする際に大きな助けとなり、結果として、業務の質や生産性の向上につながるでしょう。
フルリモートでの転職は多くのメリットがある一方で、特有の難しさやデメリットも存在します。具体的には、下記のようなデメリットが考えられます。
事前に注意点を理解し、対策を講じることが、転職後のミスマッチを防ぐ鍵となります。
オフィスに出社していた人がフルリモートに転職した際、仕事のオンとオフの切り替えが難しくなったと感じるかもしれません。
フルリモートでは自宅が職場となるため、通勤という物理的な移動がなくなり、生活空間と仕事空間の境界が曖昧になりがちです。
そのため、つい長時間労働になってしまったり、業務時間外でも仕事のことが頭から離れなかったりするケースが見受けられます。
また、家族と同居している場合は、仕事中に家族からの干渉があったり、逆に家族に気を使って仕事に集中できなかったりといった問題も起こるでしょう。
フルリモートで働く際には、意識的に始業・終業の時間を決めたり、仕事用のスペースを確保したりするなど、自分なりのルールを設けてオン・オフを区別する工夫をすることが求められます。
フルリモートでは、対面でのコミュニケーション機会が大幅に減少するため、コミュニケーションミスが起きやすくなるというデメリットがあります。
たとえば、テキストベースのやり取りでは、ちょっとした言葉遣いの違いで、相手に冷たい印象を与えてしまうこともあります。
ほかにも、業務の遅延や手戻り、チーム内の雰囲気悪化などにつながるかもしれません。
従来のように、オフィスで顔を合わせながらコミュニケーションを取って働くことに慣れている人は、フルリモート特有の「テキストコミュニケーション」を習得するまで時間がかかります。
自分が思っているよりも丁寧で、明確な情報伝達を心がけることが大切です。
フルリモートで働く上で、継続的に高い自己管理能力が求められることは、人によってはデメリットと感じられるでしょう。
オフィス勤務であれば、周囲の目や決められたスケジュールがある程度、行動を律する助けとなります。
しかし、フルリモートではそのような外的要因が少ないため、自分自身で仕事の進捗管理、時間管理、モチベーション維持、さらには体調管理まで行う必要があります。
自己管理がうまくできないと、生産性が著しく低下したり、納期遅延を引き起こしたり、あるいは、逆に働きすぎて心身のバランスを崩したりする可能性も否定できません。
企業側も、フルリモートで働く社員には成果を求める傾向が強いため、自己管理の甘さは直接評価に影響することもあります。
この絶え間ない自己管理の必要性が、プレッシャーや負担と感じる人にとっては大きなデメリットとなり得ます。
一般的に、パソコンとインターネット環境さえあれば場所を選ばず、成果物によって評価されやすい仕事はフルリモートに適性があります。
必ずしも対面でのやり取りを必要とせず、業務の進捗や成果をデジタルで管理・共有しやすい点が特徴です。
フルリモート転職に向いている職種をそれぞれ、ご紹介します。
Webライターは、Webサイトに掲載される記事やコラム、広告文などの文章を作成する仕事です。パソコンとインターネット環境、そして集中できる場所があれば、基本的にどこでも仕事を進めることができます。
企業から依頼されたテーマやキーワードに基づいて情報を収集し、読者に分かりやすく、かつ魅力的な文章を執筆します。
Webライターはこれまで、副業としてのイメージが強い印象がありました。しかし、オウンドメディアに注力する企業が増加している背景を受けて、正社員としてWebライターを採用している企業も増えています。
Webデザイナーは、Webサイト全体のデザインや、ロゴ、バナーといった個々のパーツのデザイン制作を担当します。
デザインツールがインストールされたパソコンと安定したインターネット回線があれば、場所を選ばずにクリエイティブな作業に没頭できます。
クライアントの要望をヒアリングし、コンセプトに基づいたデザインを制作、修正を重ねて完成させていくのが主な業務フローです。
オンラインでの打ち合わせやデータ共有がスムーズに行えるため、フルリモートでもプロジェクトを進めやすいのが特徴です。
コンサルタント業務も、専門知識やスキルを活かしてフルリモートで活躍できる職種の一つです。
企業の経営課題や特定の分野における問題点に対して、専門的な知見から分析を行い、具体的な解決策や戦略を提案します。
主な業務には、クライアントへのヒアリング、市場調査、データ分析、戦略立案、報告書の作成などがあり、これらの多くはパソコンとコミュニケーションツールを活用してオンラインで完結できます。
フルリモートに転職した際、移動時間が削減できるため、より多くのクライアントに対応したり、深い分析に時間を充てたりすることが可能になります。
一般事務や営業事務といった事務職も、近年フルリモートで対応可能な業務範囲が広がっている職種です。
以下のように、パソコンとクラウドサービスを活用することでオフィスに出社しなくても行える業務が増えています。
とくにペーパーレス化が進んでいる企業や、オンラインでのコミュニケーションツールが整備されている企業では、フルリモートの事務職の求人が見られるようになってきました。
幅広い業界で必要とされる職種のため、自分の経験やスキルに合った求人を見つけやすい可能性もあります。
秘書業務も、オンラインツールやコミュニケーション手段の発達により、フルリモートで遂行可能な領域が広がっています。
主な仕事内容は以下のように、多岐にわたります。
これらの業務の多くは、パソコン、スマートフォン、そして各種クラウドサービスを活用することで、遠隔地からでも効率的に行うことが可能です。
フルリモートでの転職は、自由な働き方を実現できる一方で、成功のためにはいくつかの重要なポイントがあります。
主体的に情報を集め、戦略的に転職活動を進めることが、フルリモート転職を成功に導く鍵となるでしょう。フルリモート転職を成功させる6つのポイントを解説します。
一般的な大手転職サイトでも、「リモートワーク可」「在宅勤務可」といったキーワードで絞り込み検索ができますが、最近ではフルリモート案件専門の求人サイトや、リモートワークに特化した転職エージェントも登場しています。
また、気になる企業の採用ページを直接確認したり、SNSなどで情報収集したりするのも有効な手段です。
ただし「フルリモート可」という言葉の定義は企業によって幅があります。下記のように、条件が異なるため、注意しましょう。
求人票を詳細に確認するだけでなく、面接の機会などに具体的な勤務条件やリモートワークの運用実態についてしっかりと質問することが重要になります。
「仕事の成果」を明確な基準で評価する企業は、フルリモートワークと非常に相性が良いと言えるでしょう。
なぜなら、こうした企業が重視するのは、社員がどこで働いているかという場所そのものよりも、「どのような価値を生み出し、目標をどれだけ達成したか」という具体的な成果だからです。
とくに、即戦力となる「専門性の高い人材」を中途採用で求める企業において、成果を重視する傾向は顕著に現れています。
より広範囲から優秀な人材を獲得するために、勤務場所を問わないフルリモート採用を積極的に導入するといった背景が考えられます。
フルリモート転職の選考プロセスは、面接を含め、すべてオンラインで完結することが一般的です。そのため、以下のような「オンライン選考特有の対策」をしっかりと行うことが大切です。
また、オンライン面接では、対面よりも表情や声のトーンが伝わりにくい傾向にあります。普段よりもやや大きめの声でハキハキと話すこと、意識的に頷いたり笑顔を見せたりするなどのリアクションを心がけることが大切です。
企業側は、オンライン環境でのコミュニケーション能力やITリテラシーも見ていることを意識して準備を進めましょう。
転職活動において、自己管理能力を効果的にアピールすることが成功のポイントです。職務経歴書には、過去の業務経験の中で、どのように目標を設定し、計画を立て、タスクや時間を管理して成果を上げてきたのかを具体的なエピソードと共に記述しましょう。
たとえば、「週次での進捗報告とタスクの見直しを自主的に行い、プロジェクトを納期通りに完了させた」といった具体的な行動を示すことが重要です。
単に「自己管理が得意です」と述べるだけでなく、それを裏付ける客観的な事実や具体的な行動を示すことが大切です。
企業に安心感を与え、フルリモート環境でも問題なく業務を遂行できる人材であることを印象づけることができます。
フルリモート転職を効率的かつ有利に進めるためには、フルリモート案件に特化した「キャリモ」のようなエージェントの活用もおすすめです。
一般的なエージェントとは異なり、フルリモート専門のエージェントは、リモートワークを導入している企業の内部事情や、フルリモート求人に特有の選考対策ノウハウを豊富に持っています。
そのため、自分ひとりでは見つけにくい非公開求人を紹介してもらえたり、企業がリモートワーカーに求める人物像やスキルセットについて、具体的なアドバイスを受けられたりするメリットがあります。
初めてフルリモート転職に挑戦する方や、どのような企業が自分に合っているのか分からない方にとっては、専門知識を持つキャリアアドバイザーのサポートは心強い存在となるでしょう。
フルリモートでの働き方に興味はあるけれど、いきなり転職することに不安を感じる場合は、まず副業としてフルリモートの仕事を経験してみるのもおすすめです。
現在の仕事を続けながら、週末や空いた時間を利用して、フルリモートで対応可能な業務に挑戦してみましょう。
副業を通じて、実際にフルリモートで働くことのメリットやデメリットを体験的に理解できるのはもちろん、自分自身の適性を見極める良い機会にもなります。
また、副業で成果を出すことで、自己管理能力やオンラインでのコミュニケーション能力を実践的に養うことが可能です。
副業で得た経験や実績は、将来的にフルリモート転職を目指す際に、職務経歴書や面接でアピールできる貴重な材料となります。
フルリモートワークは、通勤時間の削減、柔軟な働き方の実現といった大きな魅力がある一方で、コミュニケーションの課題、高度な自己管理能力の必要性など、乗り越えるべきハードルも確かに存在します。
しかし、これらの課題を事前に理解し、適切な対策を講じることで、フルリモート転職の成功確率は格段に高まります。
フルリモート専門エージェントの活用を検討してみたり、副業からスモールスタートしてみたりと、フルリモート転職に向けて少しずつ準備を始めましょう。