不景気の続く昨今、子育て中のママでも仕事をする方は増えてきています。
しかし、子どもの世話や家事を両立するのは大変です。働き始めてから「やっぱり無理かも」と不安に思ったり、ショックを受けたりしないためにも、仕事探しは慎重に実施したいもの。
この記事では、子育て中のママがどんな仕事をしているのか、人気の業種や働き方の具体例などを紹介します。あなたに合った仕事を見つける参考にしてください。
子育て中のママにおすすめの仕事には、どのようなものがあるのでしょうか。具体的な職種9つについて、それぞれ解説します。
職種 | 雇用形態 | 在宅 | 必要スキル・経験 |
---|---|---|---|
コールセンタースタッフ | 正社員/アルバイト・パート | 可 | ・未経験でも可 |
コンビニ・スーパー店員 | 正社員/アルバイト・パート | 不可 | ・未経験でも可 |
飲食業 | 正社員/アルバイト・パート | 不可 | ・未経験でも可 |
事務職 | 正社員/アルバイト・パート | 可 | ・未経験でも可能 |
在宅ワーク(内職) | 業務委託 | 可 | ・未経験でも可 |
オンライン営業アシスタント | フリーランス/正社員/パート | 可 | ・未経験でも可 |
オンライン秘書 | フリーランス/正社員/パート | 可 | ・未経験でも可 |
Webライター | フリーランス/正社員/パート | 可 | ・未経験でも可能 |
Webデザイナー | フリーランス/正社員/パート | 可 | ・Adobe IllustratorやPhotoshop、InDesign、XDなどのソフトに関する知識 |
コールセンターのスタッフは、電話やメールでお客様の問い合わせに対応する仕事です。在宅勤務やリモートワークが可能な場合も多く、服装や髪型に制限がないことが多いのが大きな特徴です。
また、シフト制で働けるので、子育ての都合に合わせて時間や曜日を調整することもできます。
商品の陳列やレジなどを担当します。コンビニやスーパーは、24時間営業や早朝・深夜営業を実施している店舗も少なくないため、シフトに融通が利きやすいのが大きなメリットといえるでしょう。
また、同じ店舗で働くスタッフやお客様とのコミュニケーションも楽しみの一つです。子育て中のママや先輩ママと情報交換したり、助け合ったりすることもできます。
レストランやカフェなどで料理やドリンクを提供します。飲食業は、ランチタイムやディナータイムなどピーク時間が決まっているため、短時間勤務や時短勤務がしやすいのが特徴です。
また、飲食業は人手不足に悩まされている業界です。求人数も多く、働きたい時間帯や条件に合った仕事を見つけやすいメリットがあります。
オフィスで書類作成やデータ入力などを実施します。就業時間が安定していて残業が少ないことが特徴です。また、企業によっては在宅勤務やテレワークが可能な場合もあります。
事務職は、子育てと両立しやすい働き方として人気が高く、株式会社ライズ・スクウェアが実施した調査においては、子育てと両立できている仕事1位にも選ばれています。
自宅で袋詰めやシール貼りなど簡単な作業を実施します。特別な資格や経験が必要なく、自分のペースで仕事ができることが魅力です。
収入が多いとはいえませんが、子供の急なお迎えや、園や学校での行事にも対応しやすいため、子育て中に家計の足しにするにはピッタリの仕事といえるでしょう。
インターネットを通じて営業活動をサポートする仕事です。電話やメールでお客様と連絡を取ったり、資料作成やデータ管理をしたりといった業務がメインです。
フルリモートで働けるため、時間の都合が付けやすいため、近年子育て中のママから注目が集まっています。営業経験を活かせることや、育児終了後にも復帰しやすいことなども、注目の理由です。
インターネットを通じて秘書業務を実施します。予約管理やスケジュール調整、メール対応などが主な業務です。
自宅で働けるだけでなく、自分の得意分野に合わせて依頼者を選べることや、秘書経験や社会人経験が活かせることが大きな魅力といえるでしょう。業務委託ではなく、企業に所属して時給制で働ける求人も多いため、収入の目安が立てやすいのも大きなメリットです。
インターネット上に文章を発信する仕事です。ブログ記事やニュース記事、プレスリリースなど、さまざまなジャンルの文章を執筆します。
自分の経験や知識に基づいた文章で収入を得られるのが大きな魅力です。また、在宅ワークとの相性が良く、求人数も多い特徴があります。
インターネット上に画像や動画などを発信します。ホームページや広告バナー、動画、チラシ、パンフレットなど、作成する内容はさまざまです。
自分のセンスやスキルを活かせる手に職のため、女性の在宅ワークとして特に人気があります。
フリーランスやパートタイムなど、さまざまな方法で働いている子育てママ。仕事と育児を両立する上で、どのようなことに苦労しているのでしょうか。
多くのママが悩んでいるのが、仕事と育児で忙しく、自分の時間が持てないことです。ストレスが溜まりやすいほか、自分のキャリアや将来について考える余裕もなくなります。
家族や周囲の協力を得たり、時間管理を工夫したりしながら、リラックスできる時間を作りましょう。
子育てママは、仕事だけでなく、家事や育児も担うことになります。
内閣府が委託調査をした令和元年度家事等と仕事のバランスに関する調査報告書によると、未就学児のいる母親が、平日育児と家事に使う時間の平均は、1日あたり4時間38分。対して、男性は1時間57分と、2倍以上の差がついています。
家事や育児の負担が大きいと感じるママは多く、疲労や不安、仕事や子どもへの影響も懸念されます。
夫婦で役割分担をしたり、外部のサービスを利用したりすることが必要不可欠といえるでしょう。
仕事と育児を両立させることで、どちらも中途半端になってしまうことに不安を感じるママは多いようです。
仕事ではパフォーマンスが低下したり、キャリアアップのチャンスを逃したりすることもある一方で、育児では子どもとの時間が足りなかったり、子どもの成長や様子に気づけなかったりすることを後悔してしまうのです。
子育て中のママにとって、仕事をすることは家庭との両立や自分のやりがいを得るために大切なことです。しかし、どんな仕事を選べばいいのか迷ってしまうことも多いでしょう。ここでは、子育てママが仕事を選ぶときに考えたいポイントを2つ紹介します。
子育て中でも継続的にスキルアップできるように、以前の職業や趣味などに関連する仕事を探してみましょう。たとえば、英語が得意なら英会話講師や翻訳、デザインが好きならイラストレーターやウェブデザイナー、教育に興味があるなら家庭教師やオンライン教育コンテンツの制作などが考えられます。
自分のスキルや経験を活かせる仕事は、自信や満足感を得やすいもの。また、効率よく働けることから、子育てとの両立もしやすい特徴があります。
子育て中は子どもの体調や学校行事などで急な予定変更が発生することもあります。そのため、固定された勤務時間や出勤場所に縛られない仕事が理想的です。
たとえば、在宅ワークやフリーランス、パートタイムなどが挙げられます。時間や場所に柔軟な仕事は、自分のペースで働けるだけでなく、家事や育児との両立もしやすくなります。
子育て中ママの働き方の種類や、おすすめできるママのタイプについて解説します。
子育てとの両立を優先したいママや、扶養の範囲内で収入を得ながら、家計の足しにしたいママにおすすめです。オフィスワークのスキルを身につけられる一般事務やコールセンターなどのパートや、接客スキルの活かせるコンビニ・スーパー店員や飲食業スタッフなどの職種があります。
子育て中ママにとっては挑戦しがいのある働き方といえます。収入やキャリアを重視したいママや、自分の専門性を発揮したいママにおすすめです。
一般事務や経理、財務、人事など、企業に必要とされるさまざまな職種で募集があります。
フリーランスは、仕事が継続的に見つかれば、子育てママにとって働きやすいといえるかもしれません。自分らしく働きたいママや創造性や個性を発揮したいママ、柔軟な働き方をしたいママにおすすめです。
職種には、WEBライターやWEBデザイナー、プログラマー、エンジニアなどがあります。
子育てママは、どのような働き方で、どの程度の時間働いているのでしょうか。年収についても、詳しく解説します。
厚生労働省による「2021年 国民生活基礎調査の概況」によると、児童のいる世帯において、母親が仕事をしている割合は75.9パーセント。そのうち、正社員が29.6パーセント、非正社員が37.3パーセント、その他が8.9パーセントです。
どちらかといえば、パートやアルバイトといった選択をしているママが多いようですが、正社員として働くママも多くいます。
なお、母親が仕事をしている割合は調査のたびに増えてきています。
厚生労働省による仕事と育児等の両立支援に関するアンケート調査報告書によると、正社員の場合「300 万円~500 万円未満」が 26.5パーセントでもっとも回答割合が高く、次いで「150 万円~300 万円未満」が 22.8パーセント。
非正社員の場合、「100 万円未満」が 35.3パーセントでもっとも回答割合が高く、次いで「150 万円~300 万円未満」が 19.3パーセントです。
正社員か非正社員かにかかわらず、300万円前後の年収を得ているママが多いといえるでしょう。
同じく、厚生労働省の調査報告書によると、「女性・正社員」では、「週 20 時間未満」が 35.7パーセントでもっとも回答割合が高くなっています。次いで「週30 時間以上~週 40 時間未満」が 21.3パーセントです。
時短勤務を活用しながら、育児と正社員での仕事を両立させようとしているママの姿が浮かび上がります。
一方「女性・非正社員」では、「週 20 時間未満」が 44.2パーセントでもっとも回答割合が高く、次いで「わからない」が 18.2パーセント。
仮に時給1,000円で週20時間働いた場合、月の収入は8万円。扶養内で働ける額です。パートやアルバイトの場合は、いわゆる「103万円の壁」「130万円の壁」をこえないようにする工夫が必要といえます。
子育て中のママが仕事をすることには、様々なメリットがあります。ここでは、子育て中ママが仕事をするメリットを5つ紹介します。
子育て中のママは、家事や育児に追われて、自分の時間やスキルを使う機会が少なくなりがちです。しかし、仕事をすることで、自分の時間やスキルを有効活用できます。
また、自分の興味や得意なことに関わる仕事をすることで、自分の成長や達成感を感じられるでしょう。
仕事をすれば、日中の育児は保育園や祖父母に任せられます。自分一人で育児する必要がなくなり、一息つけるママも少なくないのでは。
仕事をすることで、家計に貢献したり、将来のために貯金したりできるため、精神的な余裕が生まれます。
また、キャリアを断絶させなくて良いのも大きなポイントといえます。
子育てをしていると「1日、子供以外と喋らなかった」という日も少なくありません。働くことで子供以外の人と関われば、ママ自身の価値観やアイデンティティを保てそうです。
また、同僚やクライアントの中にも子育て経験のある人がいることでしょう。育児の悩みなどを相談できるのは、ママとしてもプラスの体験になりそうです。
仕事をすることで、子どもに自立心や努力心などの価値観や姿勢を伝えられます。好きなことをしていきいきと働くママの姿は、子供に、働くことへの希望や憧れを持たせられることでしょう。
一方で、働きながら育児をすることにはデメリットもあります。詳しく解説します。
子育て中のママは、仕事と家庭の両立にストレスを感じることがあります。仕事と家庭のどちらも満足にできないという罪悪感や焦り、自分への期待や責任感の高さなどがストレスの原因になってしまうのです。
また、仕事と家庭のバランスを取るために、自分の時間や趣味、友人との交流などを犠牲にすることもあります。
仕事をすることで、子どもとの時間が減ることも。子どもの成長や様子に気づきにくくなってしまうことに、多くのママが悩んでいます。
また、仕事で疲れたりイライラしたりすることで、子どもに対して冷たく当たってしまうこともあるかもしれません。
仕事でどうしても都合がつけられず、保育園や学校の行事に参加できないことがあります。子供は、親が自分の様子を学校に見に来てくれる機会を非常に楽しみにしているもの。親が来ていないことが分かれば、子供に少なくないショックを与えてしまうかもしれません。
また、いわゆる「ママ友」づきあいができないため、保護者同士の交流や情報共有にも乗り遅れることがあります。
子供は急に熱が出たり、ケガをしてしまったりするもの。また、お友達との喧嘩などもあることでしょう。
仕事をしていると、子供の急なトラブルにすぐに対応できない問題が生まれます。
育児をしながら仕事をすることで、上司や同僚からパフォーマンスやモチベーションを疑われてしまうことがあります。
また、産休や育休を取ることでキャリアが途切れたり、復帰後に昇進や昇給のチャンスを失ったりします。これは「マミートラック」と呼ばれ、キャリアを追及したいと考えている女性にとっては大きなデメリットといえるでしょう。
子育て中のママが仕事を始める際、気をつけておきたいことを3つ紹介します。全てを実践するのは難しいかもしれませんが、ぜひ周囲にも助けを求めながら、上手に実践してみましょう。
子育て中のママが仕事をするためには、家族や周囲のサポートを得ることが大切です。夫や祖父母、保育園、ファミサポ、ベビーシッター、行政の育児支援センターなど、利用できるものは全て使い、ママが笑顔でいられる環境を作りましょう。
育児をしていると、1日全く自由時間が取れないことも少なくありませんが、それでは疲れてしまいます。自分の時間や休息を確保することで、ストレスや疲労を解消したり、自分らしさを取り戻せたりできるでしょう。
自分のペースで育児と仕事を両立しましょう。働きやすい職場を見つけたり、サポートしてもらったりすることが重要です。
近年じょじょに増えつつある、育児と仕事を両立させているママの存在。フリーランスや正社員、パート・アルバイトなど、さまざまな働き方をしながら、家計を支えています。
働くことは、たんに「育児・家事に加えて仕事までしなければならない」というわけではありません。一人で育児をしなくてもよくなったり、子供のいい手本になれたりと、大きなメリットがあるのです。
しかし、子育て中のママが育児と仕事を両立させるためには、働き方や職種を上手に選ぶことが欠かせません。また、自分の時間を確保できるように、周囲のサポートを得ることも必要不可欠といえます。
育児と仕事を両立し、いきいきと働くママを目指しましょう。