正社員からパート子育て

正社員からパートへの転換を検討している子育てママが知るべき実情

子育てと仕事の両立は、多くのママにとって悩ましい課題です。特に、正社員からパートになるかどうかは、大きな決断を迫られる場面といえるでしょう。何が正解かは状況や価値観によって異なりますが、その選択で後悔しないためには、事前にしっかりとメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。

この記事では、子育てが理由で正社員からパートになる人の現状や体験談のほか、正社員からパートになって後悔する子育てママの特徴や、正社員からパートになるメリット・デメリットを解説します。また、パートになってもキャリアアップするための方法や、収入を安定させるコツをお伝えします。

子育てと仕事のバランスを取りたいと考えているママは、ぜひ最後までお読みください。

子育てが理由で正社員からパートになる人の現状

子育てを理由として正社員からパートになる人は、どのようなことを考えているのでしょうか。統計や具体的な体験談について、詳しく解説します。

統計やアンケートから見るパートになった理由

しゅふJOB総研の調査「本当に望む雇用形態と時短正社員」によると、主婦が最も理想とする働き方は、短時間正社員が37.2%と最多。次が短時間非正規社員(パート、アルバイト、派遣など)で35.9%。

育児中にフルタイムでの正社員として働くことを望む人は全体の7.4%と、やや少数派であることが分かります。

また、総務省発表の「労働力調査(詳細集計)2019年」では、非正規(パートなど)の職員・従業員についた理由として、女性の挙げる理由のトップ3はは「自分の都合のよい時間に働きたいから」「家計の補助・学費等を得たいから」「家事・育児・介護等と両立しやすいから」の3つ。

「家計が一馬力では不安だけれども、育児や家事のことを考えると、時間が拘束されるフルタイム正社員は難しい」という心の動きが見えてきます。

正社員からパートになった子育てママの体験談

実際に、正社員からパートになった子育てママも数多く存在します。インターネットからの言葉を紹介します。

育児と仕事の両立が激務であるため、パートになったママは少なくありません。正社員でい続けることの安定感は理解しつつも、心身に負担が大きすぎるようです。責任の低いパートだからこそ、ストレスを感じすぎずに働き続けられる側面をメリットとして見ている状況がうかがえます。

パートから正社員になった子育てママの体験談

一方で、パートから正社員になったママも少なくありません。

全体的な傾向として、パートから正社員に戻すタイミングは、子供が小学生や中学生以上と、ある程度大きくなってからのことが多いようです。子供が小さいうちはパートとして働き、体力を温存する一方で、手が離れてきてからは本腰を入れて働く。そんな働き方のモデルが見えてきます。

正社員のまま働き続けた子育てママの体験談

近年増えてきているのが、正社員のまま働き続けるママ。しかし、両立をしているママたちの声は、ほとんどが厳しいものでした。

多くのママが心身ともに疲弊している様子がうかがえます。正社員のまま働き続けることを選択した場合、親やファミサポ、ベビーシッター、保育園のサポートなどをフルに使いながら、なるべく笑顔でいられる時間の長い生活やライフスタイルがどのようなものか探っていきましょう。

パート以外の働き方に変えた子育てママの体験談

思い切って、パート以外の働き方を模索したママも存在します。特に多いのが、フリーランスとして独立することを選ぶ人です。

二人目の出産を機に、フリーランスとして独立しました。
正社員で働いていた会社を退職して、ちょうど次の転職先を探している最中に妊娠が発覚したんです。妊娠していると分かる前からつわりの症状が出る程体調不良が続いたので、この状態で出社は無理だと判断し、転職を諦め無職に。
(中略)
帝王切開の回復も遅かった私は個人事業主という選択肢しかありませんでした。

引用元:QOOL

フリーランスの魅力は、子供や自分の体調を見ながら仕事量を調節できたり、時間の都合をつけやすくなったりすること。また、職種によっては、完全在宅で働くことも難しくはありません。

正社員やパートなど雇用関係にある場合、企業や組織の都合によって、自分の思いとは違う動きをとらねばならず、無理が続いてストレスになることも。フリーランスであれば、育児と仕事を程よく両立できると考えるママも少なくありません。

正社員からパートになって後悔する子育てママの特徴

正社員からパートになって「後悔した」「正社員のままでいればよかった」と思うタイミングにはどのようなものがあるのでしょうか。詳しく解説します。

収入が減って生活が苦しくなった

現在、パートやアルバイトの平均時給は1,200円程度(マイナビキャリアリサーチLab調べ、2023年8月度時点)。扶養の範囲内で働くとすると、月収は8〜10万円程度に抑える必要があります。

一方で、正社員の平均月収は約30万円です(厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より)。このため、正社員からパートになれば、多くの家庭において世帯収入は大きく下がることが予想されます。

収入が減ると、生活水準を下げるか、貯蓄を切り崩すか、借金をするかのいずれかを選ばざるを得ません。どれも心理的にも経済的にも負担が大きく、人によっては後悔する原因になります。

やりがいやスキルアップの機会が減った

正社員からパートになると、仕事の内容や責任も変わります。パートでは、正社員よりも単純で簡単な仕事を任されることが多く、やりがいや成長感を感じにくいことがあります。また、パートでは、研修や教育の機会も少なく、スキルアップのチャンスが減ることも。

仕事に対するモチベーションや自信が低下すると、人によっては自己肯定感や自尊心が低下するかもしれません。

正社員への再就職が困難になった

正社員からパートになると、再び正社員に戻ることは容易ではありません。特に子育て中のママは、年齢やブランク、子供の世話などの理由から、正社員としては採用されにくい傾向があります。しゅふJOB総研のアンケート調査によれば、結婚・出産後の就職活動を「難しい」と考えている人は92.6%にものぼっています。

正社員への再就職が困難になると、将来的なキャリアプランや収入源が不安定になります。育児が落ち着いてからも思うように働けず、焦りや後悔を感じることもあるでしょう。

社会保険や退職金などの福利厚生が失われた

正社員からパートになると、勤務時間などの条件によっては、社会保険や退職金などの福利厚生が失われることがあります。生活スタイルや、老後の資金計画にも影響します。正社員の頃に比べて健康面などに不安を感じることも増えてしまうかもしれません。

職場での立場や評価が低くなった

パートの場合、正社員よりも権限や発言力が少なく、意見や要望が聞き入れられにくいことがあります。また職場によっては、正社員よりも仕事の量や質が低いと見られて、軽視されたり無視されたりすることも。

仕事に対するやる気や楽しさが失われるほか、職場での人間関係にストレスや不満を感じることもあります。職場のストレスを引きずってしまうと、子供にも悪影響が出るため、さらに悩みは深くなりそうです。

夫との関係が変化した

パートになることで、夫の収入に依存する割合が高まり、経済的な自立性が低下します。また、パートになることで、家事や育児の負担が増え、時間的な自由度が低下するかもしれません。

夫との関係が変化すると、夫に対する感謝や尊敬の気持ちが減ったり、逆に期待や要求の気持ちが増えたりすることがあります。また、夫からの理解や協力が得られないと感じることも。結果的に、夫婦仲がギクシャクする結果につながるかもしれません。

子育て中に正社員からパートになるデメリットは?

子育て中に正社員からパートになるデメリットを押さえ、後悔を防ぎましょう。3つのリスクについて解説します。

福利厚生や各種手当が減るかなくなる

正社員からパートになると、福利厚生や各種手当が減ったり、場合によってはなくなったりすることもあります。たとえば、以下のようなものが該当します。

  • 社会保険
  • 雇用保険
  • 厚生年金保険
  • 退職金
  • 賞与

雇用が不安定になる

パートは正社員よりも職の流動性が高い分、契約更新の打ち止めや解雇などが実施されやすい傾向にあります。

キャリアの評価が低くなる

パートは正社員よりも仕事における負担が少ないことが特徴です。育児に労力を割きやすいのはメリットですが、一方、仕事の場におけるスキルや知識は磨きづらいといったデメリットも生まれてしまいます。

また、職務上の経験を積む機会が少なく、できることの幅や深さが狭まる可能性があります。

再就職や転職に不利になることも考えられます。「子育てが落ち着いたあとは二馬力で稼ぎたい」と考えている場合、パートとしてどのように働くか、戦略的に検討する必要がありそうです。

子育て中に正社員からパートになるメリットは?

収入やキャリアが犠牲になることを気にする人も多い、正社員からパートへの転換。しかし、メリットも少なくありません。得られるものやチャンスになるものを、5つの観点から紹介します。

自分のライフスタイルに合わせた働き方ができる

パートは正社員に比べ、勤務時間や勤務地、勤務内容に融通が利きやすいことが特徴です。急な出張や休日出勤、転勤などが入る可能性も低く、余裕を持って子育てにあたれるでしょう。

仕事のストレスが減る

正社員は仕事の内容や責任が高く、プレッシャーを感じやすいものです。また、目標や評価も設定され、組織の発展に強く関わる必要があります。

一方、パートは仕事の内容や責任が低く、プレッシャーを感じにくいのが大きなメリットといえるでしょう。目標や評価が設定されていたとしても、も正社員に比べればゆるやかか、もしくは無視できる場合もあります。

また、仕事の成果や実績を同僚と競う必要もなく、昇進や昇給のチャンスを望まない場合は、同僚や上司との協力しながら、和気あいあいとした雰囲気の中で働けます。

育児は、ただでさえストレスがたまるもの。職場でもストレスをためていたら、1日中、心の休まるタイミングがありません。子供にあたってしまうなど、後悔する状況を避けるためにも、パートに切り替えるなどしてストレスを減らすことは重要といえそうです。

扶養に入れる

年収が130万円以下の場合は、配偶者や家族の扶養に入れる可能性があります。保険料の支払いや年金の支払いも不要になるため、場合によっては負担感が大きく減ることもあるでしょう。

キャリアの自由度が高い

パートは正社員よりも退職しやすい傾向にあります。このため、転職や副業探し、起業、独立がしやすく、戦略の練り方によってはむしろ、正社員よりもキャリアを構築しやすくなるといえるでしょう。

実現したい働き方が明確に決まっている場合は、漫然と正社員でい続けるよりもむしろ、パートを選ぶほうがスムーズなケースもありそうです。

子供にしっかり向き合える

正社員の場合、時短勤務を選んだとしても、帰宅は夕方以降になることが一般的です。家に帰ってからも忙しく、子供の成長を見逃したり、コミュニケーションを取れなかったりすることもあるかもしれません。子供の健全な発達のためには、必ずしも親が関わる必要はありませんが、親自身が「自分は子供と関われていない」と気落ちしてしまう場合は、子供と過ごす時間を増やしたほうがよいかもしれません。

パートの場合、仕事の選び方によってはお昼前後に仕事を切り上げられることもあるでしょう。自分の満足するレベルで子供と接しながら、ある程度の収入も確保できるメリットがあります。

子育てがきっかけで正社員からパートになってもキャリアアップできる方法は?

子育て中に正社員からパートになると、収入やキャリアが停滞したり、将来の復帰や転職が困難になったりすることについて、不安を抱える人も多いかもしれません。しかし、パートでもキャリアアップは可能です。ここでは、パートでもキャリアアップできる方法を、主に4つの観点から紹介します。

資格やスキルを取得する

まずおすすめなのが、資格やスキルの取得です。自分の専門性や価値を高められるほか、現在の仕事の能力や効率が高まる、新しい仕事のチャンスや選択肢を広げることができるなどのメリットが生まれます。

自信ややりがいを持てるほか、資格が無駄になることはないため、ぜひ挑戦してみましょう。

資格やスキルを取得するためには、以下のような方法があります。

  • オンラインや通信教育
  • 職業訓練校
  • 専門学校
  • 研修やセミナー
  • 独学

ただし、育児とパートを両立している時点で、すでに体力はかなり消耗しているはず。「何がなんでも資格を取得しなければならない」と焦ってしまい、ストレスをためてしまっては本末転倒です。「取れたら嬉しい」程度に留め、けして無理はしないようにしましょう。

ネットワークを作る

パートは人間関係が希薄になることもあり、育児と仕事で忙しい中、孤立感を味わってしまうこともあります。また、1人だけで全てを判断するため「本当にこの選択でよかったのか」と不安になることもあるでしょう。

この問題を防ぐためにも、職場や地域、SNS上などで、気持ちや状況を相談できるネットワークを作っておくことをおすすめします。

相談先を作る上でのおすすめは、育児のことを相談できる人、キャリアのことを相談できる人、地域の情報をシェアできる人など、悩みを相談できる先を広く持っておくこと。広く情報を得られるほか、「この人に相談してもあまり気分が明るくならなかったから、次はこの人に相談してみよう」と、気持ちを切り替えることにもつながります。

キャリアの目標や計画を立てる

育児が落ち着いたあと、キャリアを再始動させたいと考えている人は、どのように自分が今後働きたいのかを考え、パートのうちから準備を始めておきましょう。

自己分析やキャリアカウンセリングなどの実施や、メンターや仲間に相談するなどしながら、自分の状況や能力を客観的に把握しましょう。また、人生はその時々の状況によって大きく環境が変化するもの。1度決めた目標にこだわりすぎるのではなく、柔軟に見直したり修正したりすることも重要です。

キャリアアップ助成金を使う

身につけたいスキルがあり、条件に合致する場合、キャリアアップ助成金の利用も検討してみましょう。企業が、雇用しているパートや派遣などの人材に対して、正社員化や賃金規定の改定などを実施するための制度です。

起業が導入していなければ利用はできませんが、一度正社員からパートになっても、また正社員になるための道が残されているのは大きな安心材料になりそうです。

子育て中に正社員からパートになっても収入を安定させるコツは?

子育て中に正社員からパートになると、収入が減って生活が苦しくなるかもしれないと不安を抱える人も多いもの。パートでも収入を安定させるコツを4つ紹介します。

思い切って扶養に入る

フルタイムパートの場合、年収が130万円を超えることも可能です。このため、扶養に入らず年収160〜200万円程度を目指しながら働く人も多いかもしれません。

しかし、フルタイムで働きながら育児をするのは大変です。ストレスがかかり、結果的に、おやつや娯楽費など、本来であれば不要な出費がかかってしまうこともあるかもしれません。また、体調が悪くなり、医療費などがかかってしまうこともあるでしょう。

仕事量を減らして扶養に入っても、手元に残るお金は変わらないかもしれません。雇用保険なども受け取れるため、むしろ安心して暮らせるケースもあるため、負荷が高いと思う場合は一度、働く時間を減らすことを検討しましょう。

給料の高い職場に転職する

相場よりも高い時給の職場に転職をすることで、働く時間は減らしながら、ゆったりと生活ができそうです。また、スキルや経験も積みやすくなるため、将来のキャリアに対する不安も薄まるといったメリットが生まれます。

副業にトライする

体力や気力に余裕がある場合は、副業にも挑戦してみましょう。ポイ活やアンケートへの回答、データ入力など、気軽にできて収入を得られる案件は数多く存在します。

スキルがある場合は、事務作業、デザイン、ライティング、プログラミングなど、本格的な収入を得られる案件に挑戦してみることも考えられます。収入次第では、そちらを本業にする選択肢もありえます。

貯蓄額をキープする

収入額が減ってしまったとしても、貯蓄額を定め、月の給料が入った瞬間に天引きで貯金してしまえば、やりくりは大変になるかもしれませんが、お金が減っていくことについての不安は減ることでしょう。

また、収入が減ったときこそ、やりくりする力の見せどころです。家計簿アプリなどを活用しながら、収入と支出の状況を把握しましょう。ポイントサイトなどを駆使して節約することもおすすめです。

正社員の子育てママが検討したいパート以外の働き方は?

パートだけが両立の選択肢ではありません。正社員の子育てママが検討したいパート以外の働き方を3つ紹介します。

派遣

派遣会社と契約し、派遣先の企業で一定期間働きます。勤務時間や場所が柔軟で、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるほか、給料や福利厚生がパートよりも高く、収入や安心感が得られるメリットがあります。

一方で、3ヶ月ごとの契約更新が必要など、雇用が不安定で、契約期間が終了すると失業するリスクがあることや、正社員と比べて仕事の内容や責任が低く、評価や待遇が劣る場合があることなどはデメリットとして押さえておきましょう。

契約社員

一定期間(1年以上)の雇用契約を企業と結びます。

雇用期間が長く、雇用主からも信頼されやすいため、雇用の安定性や継続性が高まるほか、正社員と同じ仕事をすることも多く、スキルや経験を深めることができるなどのメリットがあります。また、一定期間以上、雇用を打ち切らずに契約が続いた場合、無期雇用に切り替わります。

ただし、雇用期間が給料や福利厚生が正社員よりも低く、収入や安心感が得にくい場合があることや、契約更新されない場合もあることには十分注意が必要です。

業務委託(フリーランス)

業務委託とは、個人事業主として自分で仕事を探して、依頼者と業務委託契約を結んで働くことを意味します。いわゆる自営業のイメージです。

勤務時間や場所が完全に自由なほか、条件に合わない仕事は断れるなどのメリットがあります。また、自分の好きなことや得意なことを仕事にできるため、満足感や自己実現感が高まるでしょう。

一方で、仕事量や収入が不安定で、仕事を探したり交渉したりする労力がかかるほか、社会保険や退職金などの福利厚生がなく、自分で準備する必要があるなど、働き方が不安定になりやすいことには注意が必要です。

案件の獲得については、フリーランス向けのエージェントを利用することもおすすめします。たとえば弊社キャリモでは、専門職や資格職ではないビジネス経験豊富なキャリア女性に向けて、完全在宅の案件を紹介しています。

企業との時給交渉や業務内容変更の相談などの調整については、すべてキャリモが代行するため、生活や仕事に集中できる環境が整っています。

紹介される案件は、データ入力などの単純作業ではなく、今までのキャリアを活かしたハイレベルなアシスタント業務がメイン。パートよりも高単価な仕事を紹介されやすい傾向にあることも、メリットの1つです。

まとめ

この記事では、子育てが理由で正社員からパートになることについて、メリットやデメリット、働き続けるコツなどを紹介しました。

子育てと仕事の両立は難しいことですが、自分に合った働き方を見つけることで、より充実したライフスタイルを送ることができます。そのためには、自分の目標や希望を明確にし、メリットとデメリットを比較して判断することが重要といえるでしょう。

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