フリーランスが扶養内で働くには?年収の壁や条件、メリット・デメリット

フリーランスが扶養内で働くには?年収の壁や条件、メリット・デメリット

「フリーランスになったはいいけど、やっぱり扶養内で無理なく働きたい…」
「フリーランスの場合、収入を調整しないと扶養から外れるの?」

フリーランスという自由な働き方を選んだものの、収入が不安定な時期は、扶養内で働くことを考えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、フリーランスが扶養内で働くための年収の壁、注意点、必要な手続きを解説します。

扶養の範囲を意識せずに仕事を受けすぎてしまうと、結果的に税金や社会保険料をたくさん払うことになり「損してしまった…」と後悔するかもしれません。

本記事を参考に、扶養制度を賢く活用しながら経済的な心配を減らして、理想のフリーランス生活を送ってください。

フリーランスでも扶養内で働ける?

フリーランスとして働いている方も、配偶者の扶養に入ることは可能です。

ただし、扶養に入るためには、税金と社会保険、それぞれで定められた条件を満たす必要があります。

また、フリーランスの場合、収入の金額によって扶養に入れるかどうかが変わってきます。

ご自身の状況に合わせて働き方を考え、扶養の範囲内で安定した収入を得ながら、充実したフリーランス生活を送るヒントにしてください。

扶養内で働きたいフリーランスが知っておくべき基本知識

扶養内で働くことを考えるフリーランスが最初に理解しておきたいのは、扶養には大きく分けて「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があるということです。

税法上の扶養社会保険上の扶養
目的所得税・住民税の負担軽減健康保険料・国民年金保険料の負担軽減

税法上の扶養は、所得税や住民税といった税金に関わるもので、配偶者控除や配偶者特別控除といった制度を受けるための条件となります。

一方、社会保険上の扶養は、健康保険や年金などの社会保険に関わるもので、保険料の負担を軽くするための条件です。

扶養に入るためには、所得や年齢など、いくつかの条件を満たす必要があります。そして、これらの条件は税法と社会保険でそれぞれ異なるため、両方について確認しておくことが大切です。

扶養に入ると、税金や社会保険料の負担が減るというメリットがある一方で、収入に上限があるため、キャリアアップの機会を逃してしまう可能性も考えられます。

そのため、扶養に入るかどうかを検討する際には、メリットとデメリットをしっかりと比較し、慎重に判断することが重要です。

税法上の扶養とは?「103万円の壁」について

税法上の扶養とは、納税者(収入が多い方)が配偶者(収入が少ない方)を経済的に支えている場合に、納税者の税金が安くなる制度のことです。

この制度では、支えられている配偶者の収入によって「配偶者控除」または「配偶者特別控除」という税金の控除が受けられます。控除を受けることで、納税者の所得税や住民税を安くすることができます。

配偶者の収入
配偶者控除年間48万円以下
配偶者特別控除年間48万円を超えても、一定の金額までであれば受けられる

配偶者がパートやアルバイトで収入を得ている場合、年収から「給与所得控除」という決まった金額を引いたものが「所得」として計算されます。

例えば、配偶者の年収が103万円の場合、給与所得控除(55万円)を引くと、所得は48万円になります。

  • 年収103万円 – 給与所得控除55万円 = 所得48万円

この場合、配偶者の所得が48万円以下になるため、「配偶者控除」が適用されます。これが一般的に言われている「103万円の壁」です。

しかし、配偶者控除が適用されるのは、「給与」という形で所得を得ている場合に限ります。

フリーランスの収入は「給与」ではなく、報酬のような「事業所得」の形を取るため、税法上の扶養は適用されません。

社会保険上の扶養とは?「130万円の壁」について

社会保険上の扶養とは、扶養される側(収入の少ない方)が、収入のある家族の加入している社会保険(健康保険や厚生年金)に一緒に入ることで、自分自身の社会保険料を払わなくてよくなる制度です。

一般的には、扶養される人の年収が130万円未満であることが目安とされています。

ただし、この基準は、扶養する側が入っている社会保険の種類や、その保険のルールによって異なる場合があります。

フリーランスの場合

フリーランスが扶養に入りたいと考える場合、税法上と社会保険上の扶養は、以下が基準となります。

  • 扶養される側の合計所得金額が48万円以下
  • 扶養される側の年収が130万円未満

フリーランスで青色申告をしている方の「所得」は、1年間の売上(年収)から、青色申告の特別控除額と、仕事をする上でかかった経費を引いた金額になります。

会社員のような給与所得とは異なるため、「給与収入が年間103万円以下」といった条件や、社会保険の扶養でよく言われる「年収130万円未満」という基準は、そのままでは当てはまりません。

扶養内で働きたいフリーランスが意識すべき所得とは?

扶養内で働きたいフリーランスが意識すべき所得とは?

フリーランスとして扶養内で賢く働くためには、所得金額を適切にコントロールすることが非常に重要です。

なぜなら、下記のようなメリットを受けるためには、それぞれ定められた所得金額の条件を満たす必要があるからです。

  • 年間所得95万円以下で、配偶者特別控除が適用される
  • 年間所得113万円以下で、所得税が免除される
  • 年間所得130万円未満で、社会保険が免除される

ここでは、扶養内で働くフリーランスが、特に意識すべき所得金額について詳しく解説します。これらの情報を参考に、所得を適切に管理し、税制上のメリットを最大限に活用しましょう。

年間所得95万円以下で配偶者特別控除が適用

フリーランスの方が扶養内で働く場合、年間所得が48万円〜95万円以下であれば、配偶者特別控除の対象となります。

配偶者特別控除は、配偶者を扶養している納税者本人の所得から、一定の金額を差し引き、所得税を減らす制度です。これは、扶養している家族がいる方の税負担を軽くするための、国の仕組みの一つです。

ただし、配偶者特別控除を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

  • 控除を受ける納税者本人の年間所得が1,000万円以下であること
  • 法律上の婚姻関係にある配偶者であること
  • 配偶者と生計を共にしていること
  • 配偶者が青色申告または白色申告の事業専従者でないこと

注意すべき点として、扶養される配偶者が、納税する側の事業専従者でないことが挙げられます。これは、家族間の給与所得と、扶養控除の重複を避けるための条件です。

たとえば、フリーランスの夫の事業を手伝っていて、給与を受け取っている場合は対象外となるため、注意しましょう。

また、年間所得が48万円以下であれば「配偶者控除」という、より基本的な控除制度が適用されます。

どちらの制度が適用される場合でも、納税者本人の所得から差し引かれる控除額は、最大で38万円になります。

年間所得113万円以下で所得税が免除

所得がある人なら誰でも、一定の金額を所得から差し引ける「基礎控除」があります。

ただし、年間の所得金額が2,500万円を超える場合は対象外となります。基礎控除の金額は、年間所得金額が2,400万円未満の場合、48万円です。

さらに、フリーランスの方が青色申告で確定申告を行う場合、「青色申告特別控除」という、所得をさらに減らせる控除が適用されます。この控除額は、一定の条件を満たすことで65万円になります。

基礎控除と青色申告特別控除、これらの控除を合計すると「基礎控除 48万円 + 青色申告特別控除 65万円 = 合計113万円」となります。

つまり、フリーランスの方が青色申告を行い、年間収入が113万円未満であれば、この合計113万円を収入から差し引いて計算される所得金額は自動的に「0円」になるため、所得税が免除されることになるのです。

ただし、青色申告特別控除で65万円の控除を受けるためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • e-Taxを利用して、確定申告書と青色申告決算書を提出する
  • 電子帳簿保存法に対応した複式簿記で記帳し、事前に税務署へ申請している

これらの条件を満たさない場合、青色申告特別控除額は55万円となるため注意が必要です。

年間所得130万円未満で社会保険が免除

フリーランスとして働く場合、年間の収入(所得ではなく、売上から経費を引いた金額)が130万円未満であれば、配偶者の社会保険(健康保険と厚生年金)に、保険料を自己負担することなく加入できるという大きなメリットがあります。

ここで注意が必要なのは、所得税の計算で使える「基礎控除」や「青色申告特別控除」は、社会保険の扶養の収入を判断する際には差し引けないという点です。

会社員が加入する健康保険と厚生年金は、保険料が会社と従業員の折半になる一方で、フリーランスが加入する国民健康保険と国民年金の保険料は、全額自己負担となります。

この保険料の負担は、フリーランスの方にとって決して小さくありません。そのため、扶養内で社会保険料が免除されるというのは、経済的な負担を大きく軽減できる、非常に魅力的なポイントと言えるでしょう。

とくに、フリーランスとして仕事を始めたばかりで、収入が安定するかどうか不安な時期は、無理に収入を増やそうとせず、年間の収入を130万円未満に抑えておく方が、経済的な安心感を得やすいかもしれません。

フリーランスが扶養内で働くメリット

フリーランスが配偶者の扶養に入ることは、経済的な安定とワークライフバランスの両立を可能にする、魅力的な選択肢の一つです。

  • 税金や社会保険料の負担がなくなる
  • 納税者は配偶者特別控除を受けられる
  • ワークライフバランスを整えられる

フリーランスが扶養内で働く場合、上記のようなメリットが考えられます。それぞれ詳しく解説します。

税金や社会保険料の負担がなくなる

フリーランスが配偶者の扶養に入る最大のメリットは、税金と社会保険料の自己負担がなくなる点です。

通常、フリーランスは収入に応じて所得税と住民税を自ら納め、国民健康保険と国民年金にも加入する必要があります。

しかし、配偶者の扶養に入ることができれば、税金や社会保険料による経済的な負担が軽減されるでしょう。

具体的には、年間所得が48万円以下であれば所得税は課税されません。

さらに、年間収入が130万円未満であれば、配偶者の加入する健康保険の扶養に入ることができ、国民健康保険料の支払いも不要になります。

また、国民年金についても、配偶者が加入する厚生年金制度を通じて保険料が支払われるため、個別の納付は必要ありません。

ただし、扶養に入るには年間所得の上限やその他の条件を満たす必要があるため、事前に詳細を確認することが重要です。

納税者は配偶者特別控除を受けられる

フリーランスが扶養内で働く場合、メリットがあるのはフリーランス本人だけではありません。

フリーランスとして働くパートナーを扶養に入れることで、納税者となる配偶者は、配偶者控除または配偶者特別控除という税金の優遇措置を受けることができます

配偶者控除配偶者特別控除
対象となる配偶者の所得年間の合計所得金額が48万円以下年間の合計所得金額が48万円超133万円以下
控除を受けられる納税者納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下
控除額納税者の合計所得金額と、配偶者の年齢によって変動納税者の合計所得金額と、配偶者の合計所得金額によって変動
目的納税者の生活を支える配偶者のいる負担を軽減すること配偶者に一定の所得があっても、納税者の税負担を軽減することで、就労を支援すること
適用条件の主な違い配偶者の所得金額が一定額以下であることが必須配偶者の所得額に応じて控除額が変動
注意点配偶者の所得が48万円を超えると、受けられなくなる配偶者の所得が増えるにつれて控除額が減少する

配偶者控除は、扶養されるパートナーの所得が一定額以下の場合に適用される所得控除で、納税者である配偶者の所得税や住民税を減らす効果があります。

一方、配偶者特別控除は、扶養されるパートナーの所得が配偶者控除の対象となる金額を超えても、一定の範囲内であれば受けられる控除です。

この制度は、扶養されるパートナーがパートやアルバイトなどで収入を得ている場合に、世帯全体の税負担を軽くすることを目的としていますが、フリーランスとして働く方が納税者である配偶者の扶養に入る場合も同様に適用されます。 

控除される金額は、扶養されるパートナー(フリーランスとして働く方)の所得額に応じて変わり、所得が増えるにつれて段階的に少なくなります。

これらの控除を受けるためには、納税者である配偶者が年末調整や確定申告の際に必要な書類を提出する必要があります。

ワークライフバランスを整えられる

フリーランスが扶養内で働くことは、ワークライフバランスを改善する上でとても有効な方法です。

扶養の範囲内で収入を調整する必要があるため、おのずと働く時間や仕事の量をコントロールすることになります。

その結果、自分の時間を確保しやすくなり、趣味を楽しんだり、家族と過ごしたり、スキルアップのために勉強したりといった活動に時間を使えるようになります。

また、無理なく働けるため、心身の負担を減らし、ストレスを抱えにくい生活を送ることも期待できます。

フリーランスは仕事とプライベートの区別がつきにくい働き方ですが、扶養という仕組みを上手に利用することで、意識的にバランスを取りやすくなります。

たとえば「週に数日だけ働く」あるいは「午前中だけ仕事に集中する」といったように、自分のライフスタイルに合わせて働き方を調整できるのが魅力です。

このように、扶養内で働くことは、経済的な安定だけでなく、心のゆとりや生活の充実感をもたらし、より自分らしい豊かな人生を送るための土台となるでしょう。

フリーランスが扶養内で働くデメリット

フリーランスとして働く人が配偶者の扶養に入る選択は、多くのメリットがある一方で、次のようなデメリットも考慮する必要があります。

  • 収入に限度が発生する
  • 大きな仕事のチャンスを逃す
  • パートやアルバイトと同じ働き方になる

メリットとデメリットを比較検討し、ご自身にとって最適な働き方を選択してください。

収入に限度が発生する

フリーランスが配偶者の扶養に入る上で、最も注意すべきデメリットは、収入に上限が設けられることです。

扶養に入るためには、年間の所得を一定額以下に抑える必要があり、その金額は配偶者の年齢やその他の条件によって変わります。

たとえば、配偶者が70歳未満の場合、所得税法上の扶養に入るには、年間の合計所得金額を48万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)に抑えることが重要です。

この金額を超えてしまうと、扶養から外れてしまい、自分で所得税や住民税を納める必要が出てきます。

さらに、配偶者の会社から扶養手当や家族手当が支給されている場合、扶養から外れることでこれらの手当がもらえなくなる可能性もあります。

収入を制限することは、フリーランスとしての活動範囲を狭め、収入アップの機会を逃してしまうかもしれません。

そのため、扶養に入るかどうかを検討する際は、将来的な収入目標やキャリアプランをしっかりと考慮し、慎重に判断することが大切です。

大きな仕事のチャンスを逃す

フリーランスが扶養内で働く場合、収入制限によって、大きな仕事の機会を逃す可能性があります。

高収入が期待できるプロジェクトや、自身のスキルアップにつながる重要な仕事であっても、収入が扶養の範囲を超えてしまうために、泣く泣く断念せざるを得ないケースも考えられます。

とくに、フリーランスとして積極的にキャリアを築きたいと考えている方にとって、これは大きなデメリットとなるでしょう。

一度大きな仕事のチャンスを逃すと、その後のキャリアにも影響が出かねません。

たとえば、実績を作る機会を失ったり、将来の顧客となるかもしれない人脈を築けなかったりする可能性があります。

扶養に入ることで経済的な安定を得られる一方で、キャリアを大きく飛躍させる機会を失う可能性があることを理解しておく必要があります。

そのため、扶養を選択するかどうかを検討する際には、目先の収入だけでなく、長期的なキャリアプランも考慮に入れ、バランスの取れた判断をすることが重要です。

パートやアルバイトと同じ働き方になる

フリーランスが扶養内で働く場合、収入を一定の範囲に抑える必要があるため、働き方がパートやアルバイトのようになる可能性があります。

収入を調整するために、働く時間や仕事量を減らしたり、単価の低い仕事しか選べなくなるかもしれません。

フリーランスの魅力は、自分の裁量で自由に仕事を選べることですが、扶養に入ることでその自由度が制限されてしまうことがあります。

たとえば、自分の得意な分野や興味のある分野ではなく、収入を調整しやすい単純作業の仕事を選ばざるを得ない状況も考えられます。

また、クライアントとの交渉においても、収入を扶養範囲内に収めるために、不利な条件を受け入れざるを得ない場合もあるでしょう。

このように、扶養内で働くことは、フリーランスならではの自由な働き方から離れ、時給制のアルバイトのような働き方に近づいてしまう可能性があります。

そのため、扶養に入るかどうかを検討する際には、自分が理想とする働き方やキャリアプランと照らし合わせ、慎重な判断が求められます。

フリーランスが扶養内で働くときに必要な手続き

フリーランスとして働きながら配偶者の扶養に入るには、下記のような手続きが必要です。

  • 開業届を出す
  • 必要書類の提出・申請をする
  • 社会保険に加入する
  • 年間所得を管理する
  • 確定申告をする

これらの手続きを適切に行うことで、安心して扶養内で働くことができるでしょう。

開業届を出す

フリーランスとして活動を始める際、配偶者の扶養に入りながら働くことを検討している場合でも、税務署に開業届を提出する必要があります。

開業届は、個人で事業を始めたことを税務署に知らせるための書類で、提出することで税法上のさまざまなメリットを受けられるようになります。特に、65万円の控除が得られる青色申告特別控除を受けるためには開業届の提出が必須です。必ず提出するようにしましょう。

開業届の提出期限は、事業開始日から1ヶ月以内です。提出方法は、税務署の窓口への直接持参、郵送、またはe-Taxを利用したオンラインでの手続きが可能です。

開業届を提出しておくと、屋号での銀行口座開設やクレジットカード作成が可能になるなど、事業運営上の利便性も高まります。扶養内で働く場合でも、事業を開始した事実は変わらないため、開業届の提出は必要となる点に注意しましょう。

必要書類の提出・申請をする

フリーランスが配偶者の扶養に入るためには、まず、所定の申請手続きを行う必要があります。申請先は、配偶者の勤務先や加入している健康保険組合によって異なるため、注意しましょう。

必要書類は、配偶者の勤務先や加入している健康保険組合によって異なりますが、一般的には、扶養異動届、所得証明書、住民票、健康保険被扶養者(異動)届などが挙げられます。

書類名内容
扶養異動届扶養される側の氏名、生年月日、所得状況などを記入
所得証明書源泉徴収票のコピー、確定申告書の控え
住民票扶養される側の住所を確認する
健康保険被扶養者(異動)届扶養される側と扶養する側、どちらの情報も記載する

これらの書類には、扶養に入る方の氏名、生年月日、所得状況などの記入が必要です。

また、扶養に入る方の所得を証明する書類として、源泉徴収票のコピーや確定申告書の控えなどの添付が求められる場合があります。

申請の際は、各機関の案内に従い、必要な書類を漏れなく提出するようにしてください。申請が認められれば、健康保険や年金の扶養に入ることができ、保険料の負担を軽減することが可能です。

ただし、申請には所得制限をはじめとするいくつかの条件があるため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

社会保険に加入する

フリーランスとして働く場合、原則として国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。

しかし、配偶者の扶養に入る場合は、国民健康保険と国民年金の加入義務が免除されます。扶養に入っている期間は、配偶者が加入している健康保険と厚生年金によって保障されるため、自身で保険料を納める必要はありません。

ただし、扶養から外れた場合は、速やかに国民健康保険と国民年金への加入手続きを行う必要があるため、注意が必要です。

国民健康保険料は、前年の所得に応じて計算され、お住まいの市区町村によって保険料率が異なります。国民年金保険料は、全国一律の定額であり、毎月一定額を納める必要があります。

社会保険は、お住まいの自治体の窓口で手続きが可能です。必要な書類や手続き方法については、事前に市区町村のホームページなどで確認しておくと良いでしょう。

年間所得を管理する

フリーランスが扶養内で働く上で、最も重要なことの一つは、年間の所得を適切に管理することです。

扶養の条件を満たすためには、年間の所得を一定額以下に抑える必要があり、この金額を超えると扶養から外れてしまいます。

そのため、日々の収入を記録し、定期的に所得の見込み額を確認することが不可欠です。もちろん、適切に経費計上し、所得を抑えることも重要です。

収入管理には、会計ソフトやエクセルなどを活用すると便利でしょう。これらのツールを使えば、収入と支出を簡単に記録し、所得を自動計算できます。

また、税理士に相談することも有効な手段です。税理士は税金の専門家であり、所得管理や確定申告について的確なアドバイスを受けることができます。

年間所得の見込み額が扶養の範囲を超えそうな場合は、早めに仕事量を調整したり、経費を計上するなど、対策を講じる必要があります。

確定申告をする

扶養に入りながらフリーランスとして働く場合でも、原則として確定申告は必要です。

確定申告とは、1年間のフリーランスとしての収入から経費を差し引いた所得を税務署に報告し、所得税を納める手続きのことです。

確定申告の方法は、税務署の窓口での直接申告、郵送による申告、そしてe-Taxを利用したオンライン申告などがあります。確定申告の期間は通常、2月16日から3月15日までですが、年によって変動することがあるため、税務署のWebサイトなどで確認するようにしましょう。

確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があり、青色申告を選ぶことで、税金面で様々なメリットを受けることができます。

青色申告白色申告
事前の届け出青色申告承認申請書なし
記帳方法複雑な複式簿記での記帳簡単な単式簿記での記帳
青色申告特別控除ありなし
赤字が出た場合翌年以降3年間、所得から差し引ける赤字を翌年以降に繰り越して控除することはできない

青色申告をするためには、税務署に青色申告承認申請書を提出する必要があります。ただし、青色申告をしたい年の3月15日まで(開業した年が1月16日以降の場合は、開業日から2ヶ月以内)に「青色申告承認申請書」の提出が必要となるため、注意しましょう。

青色申告の主なメリットとしては、次の3点が挙げられます。

  • 最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
  • フリーランスの事業で赤字が出た場合に3年間繰り越せる
  • 家族に支払った給与を経費として計上できる

確定申告の際には、1年間のフリーランスとしての収入と、仕事をする上でかかった経費を正確に計算し、所得金額を算出する必要があります。

扶養の範囲内で賢く働き、確定申告も適切に行うことで、経済的な安定と安心を手に入れることができるでしょう。

フリーランスが扶養内として働くときのポイントや注意点

フリーランスとして扶養内で働く場合、以下に注意することで、扶養の範囲内で安定した収入を得ながら、充実したフリーランス生活を送ることができます。

クライアントに「扶養内で働きたい」ことを伝える

フリーランスとして扶養内で働く場合、クライアントに「扶養内で働きたい」という意向を伝えることは非常に大切です。

事前に伝えておくことで、クライアントは仕事の発注量や報酬額を調整しやすくなり、双方にとってスムーズな関係を築けます。

たとえば、クライアントが月に複数の案件を依頼したいと考えている場合でも、事前に扶養内での就労を伝えておけば、報酬額や仕事量を調整してくれる可能性があります。

また、クライアントによっては、扶養内で働くフリーランス向けの案件を優先的に紹介してくれることもあります。

伝えるタイミングとしては、最初の打ち合わせの際などが適切でしょう。伝える際には、扶養内で働くための所得制限や、年間の所得見込み額などを具体的に説明すると、クライアントも理解しやすくなります。

報酬を単価から月額固定へと交渉してみる

フリーランスとして扶養内で働く場合、報酬体系を単価制から月額固定制へと交渉することも有効な選択肢です。

単価制月額固定制
収入の仕組み仕事量や成果に応じて報酬が変動する例:1記事あたり〇円毎月、一定の金額が支払われる。仕事量や成果に関わらず、事前に合意した金額が支払われる
収入の安定性仕事の量や受注状況によって大きく変動するため、不安定になりやすい毎月一定の収入が得られるため、安定性が高い
年間所得の管理年間所得の管理が難しい年間所得の見通しが立てやすく、管理がしやすい
働き方の柔軟性働く時間や場所を比較的自由に決めやすい契約内容によっては、働く時間や場所に制約がある場合がある
報酬交渉案件ごとや、単価交渉が必要になる契約時に月額の報酬額を交渉する
扶養への影響収入が不安定なため、扶養の範囲を超えるリスクがある毎月の収入が一定のため、扶養の範囲内で働きやすい

単価制の場合、仕事量によって収入が変動しやすく、年間の所得管理が煩雑になることがあります。

一方、月額固定制であれば、毎月の収入を予測しやすくなり、年間所得を計画的に管理することが可能です。

交渉の際には、自身のスキルや経験、提供できるサービスの範囲などを具体的に提示し、月額固定の報酬額を提案します。

また、クライアントの予算やニーズに合わせて、柔軟に対応することも重要です。

たとえば、業務範囲を限定したり、納期に余裕を持たせたりすることで、報酬額を調整することもできます。

月額固定制の報酬体系は、収入の安定につながるだけでなく、クライアントとの長期的な信頼関係を築く上でも有利に働きます。

興味のある案件を見つけたら報酬や仕事量を調節する

フリーランスとして扶養内で働きたい場合でも、気になる仕事が見つかったら、報酬や仕事の量を調整することで、扶養の範囲内で働くことができる可能性があります。

たとえば、単価の高い案件でも、仕事量を少なくしたり、納期を少し延ばしてもらったりすれば、報酬額を扶養の範囲に収めることができます。

また、いくつかの仕事を同時に進めている場合は、それぞれの仕事の報酬や量を調整することで、年間の収入を扶養の範囲内にコントロールすることも可能です。

報酬や仕事量を調整する際には、クライアントとの話し合いがとても大切です。自分の状況をきちんと伝え、クライアントの希望も聞きながら、お互いが納得できる条件を見つけられるようにしましょう。

もし、報酬や仕事量の調整で迷うことがあれば、税理士や会計士といった専門家に相談するのも良い方法です。エージェントに登録している場合は、担当者に相談することをおすすめします。

扶養内で働きたいフリーランスの仕事の探し方

扶養内で働くことを考慮した仕事探しには、

  • 求人サイトで検索する
  • クラウドソーシングを利用する
  • フリーランス向けエージェントに登録する

などの方法があります。それぞれの特徴を解説するので、自身に合った方法を模索してみてください。

求人サイトで検索する

フリーランスとして活動している方が、扶養内で働ける仕事を探す場合、求人サイトは便利なツールの一つです。

多くの求人サイトでは、働き方(雇用形態)、勤務時間、給料などの希望条件を入力して検索できます。

扶養内で働くことを考えている場合は「パート」「アルバイト」「時短勤務」といったキーワードに加えて、「週に数日だけ」「扶養控除の範囲で働ける」といった条件でも探してみると、より自分の希望に合った仕事が見つかりやすくなります。

求人情報には、給料や働く時間だけでなく、交通費が出るかどうかや、社会保険に入れる条件なども書かれているので、フリーランスの仕事と両立できそうかなど、細かい部分までしっかり確認することが大切です。

求人サイトの中には、扶養控除内で働ける仕事をまとめている場合もあるので、積極的に活用してみましょう。いくつかの求人サイトを見比べて検討することで、フリーランスの経験も活かせる、理想に近い仕事が見つかるかもしれません。

クラウドソーシングを利用する

クラウドソーシングサイトは、扶養内で働くための仕事を探す上で、非常に役立つツールです。

クラウドソーシングサイトには、様々なスキルや経験を持つフリーランス向けの案件が豊富に掲載されており、自分の得意な分野や、興味のある分野の仕事を見つけやすいでしょう。

また、クラウドソーシングサイトでは、仕事の単価や納期、仕事量などを自分で選べるため、扶養の範囲内で働くように調整しやすいというメリットがあります。

たとえば、月に数万円程度の収入に抑えたい場合は、単価の低い案件をいくつかこなしたり、仕事量を調整したりすることが可能です。

クラウドソーシングサイトを活用する際には、自分のスキルや経験を効果的にアピールするために、プロフィールを充実させることが重要です。

さらに、過去の実績やポートフォリオを掲載することで、クライアントからの信頼を得やすくなります。

フリーランス向けエージェントに登録する

フリーランスとして扶養内で働くための仕事を探す上で、フリーランス専門のエージェントに登録することも有効な選択肢です。

フリーランス向けのエージェントは、企業とフリーランスの間に入り、案件の紹介、契約交渉、請求業務などを代行してくれるサービスです。

エージェントに登録する際には、自身のスキルや経験、そして扶養内で働きたいという希望を伝えることで、エージェントが条件に合った案件を探してきてくれます。

また、エージェントは企業のニーズや市場の動向を把握しているため、個人では見つけにくい高単価の案件や、長期的なプロジェクトを紹介してくれることもあります。

エージェントによっては、税金や社会保険に関する相談にも応じてくれる場合があるので、積極的に活用してみると良いでしょう。

ただし、エージェントを利用する際には、手数料が発生することがあるため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

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まとめ

フリーランスが扶養内で働くための重要なポイントを網羅的に解説しました。

扶養内で働くことは、税金や社会保険料の負担を軽減できるという大きなメリットがある一方で、収入制限やキャリアアップの機会を逃す可能性などのデメリットも存在します。

扶養内で働くかどうかは、個々のライフスタイルやキャリアプランによって最適な選択が異なります。

本記事で得た知識を参考に、ご自身の状況を慎重に検討し、フリーランスとしての自由な働き方を楽しみながら、賢く扶養制度を活用しましょう!