「フリーランスで経理の仕事ってできるの?」
「フリーランスの経理はどんなスキルが必要?」
フリーランス経理という働き方に興味を持ちながらも、不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
結論、フリーランスの経理は、必要なスキルや案件の獲得方法を知っておくことで、場所や時間に縛られず、自分のスキルや経験を活かして働けます。
この記事では、フリーランス経理の仕事内容から必要なスキル、メリット・デメリット、案件の獲得方法まで、詳しく解説します。
必要なスキルや案件の獲得方法などを知らず、いきなり活動を始めると、途中で挫折してしまうかもしれません。
ぜひ最後まで読んで、あなたのキャリアプランに役立ててください。
フリーランスでも経理として働くことは可能です。近年、企業の経費削減や業務効率化のニーズの高まりから、フリーランスの経理人材への需要は増加しています。
クラウド会計ソフトの普及も、場所を選ばずに働けるフリーランス経理の活躍を後押ししていると言えるでしょう。
対象 | メリット |
企業 | 正社員雇用と比較して、コストを抑えられる必要なときに、専門スキルを持つ人材を確保できる |
フリーランス | 自分のスキルや経験を活かして働ける柔軟な働き方で収入を得られる |
時間や場所に縛られずに働きたい方、ワークライフバランスを重視したい方にとって、フリーランス経理は魅力的な選択肢と言えます。
コロナ禍によるリモートワークの普及により、フリーランス経理の需要は高まっています。
株式会社EPコンサルティングサービスが行った調査によると、アウトソーシングしている業務の上位は「経理・会計・税務」と、経理関連の業務であることが明らかになりました。
経理や会計など、これらの業務は専門知識が必要とされるため、企業は外部の専門家に委託することで、コア業務に集中できるメリットがあります。
また、フリーランスは時間や場所に縛られずに働けるため、子育てや介護などとの両立もしやすく、多様な働き方を求める人にとって魅力的な選択肢となっています。これらの要因から、今後もフリーランス経理の需要は拡大していくと予想できるでしょう。
フリーランス経理の仕事内容は、企業の規模や依頼内容によって様々です。主な業務としては、次のような業務が挙げられます。
小規模企業がクライアントである際、場合によっては、経理業務の全般を任されるケースもあるかもしれません。
近年は、企業のDX化推進に伴い、会計システムの導入支援やデータ分析といった業務も需要が高まっています。自身のスキルや経験、得意分野を活かして、幅広い業務に挑戦できる点が、フリーランス経理の魅力と言えるでしょう。
フリーランス経理の年収は、仕事内容や経験、クライアントとの契約内容などによって大きく異なります。
現状では、フリーランス全体の中で「経理」業務に従事する人の割合は少なく、詳細な年収データは限られています。
「フリーランス白書2024」によると、フリーランス全体の平均年収は約200万円~600万円の価格帯であることが発表されました。
経理業務に特化した場合の平均年収は、今回の調査では明らかになっていません。しかし、フリーランス全体の年収は、フリーランスの経理としての年収を考える目安として考えられます。
なお、正社員の経理職の平均年収は求人ボックスのデータによると421万円となっています。
フリーランス経理として成功するには、専門的なスキルのほかにも、下記のようなスキルが必要です。
これらのスキルをバランス良く身につけることで、クライアントのニーズに応え、信頼関係を構築できるようになります。それぞれ詳しく解説します。
フリーランス経理としてクライアントの信頼を得るには、確かな実務経験と会計知識が不可欠です。
実務経験は1年以上、できれば3年以上あると案件を獲得しやすくなります。企業の経理部門だけでなく、会計事務所での勤務経験も高く評価されます。
経験が浅くても、あるいは全くなくても、諦める必要はありません。会計知識を証明する有効な手段として、簿記の資格習得があります。
とくに、日商簿記2級以上を取得していると、幅広い企業規模の案件に対応できるため、クライアントへのアピール材料として強力です。
さらに、クラウド会計ソフトを使いこなせるスキルも必須です。「freee」や「MoneyForward Cloud」など、主要なクラウド会計ソフトの操作に習熟しておきましょう。
ITスキルは、現代のフリーランス経理にとって必須と言えるでしょう。クラウド会計ソフトの操作はもちろんのこと、ExcelやGoogle スプレッドシートなどの表計算ソフトを用いたデータ分析や資料作成スキルも重要です。
また、クライアントとのコミュニケーションには、チャットツールやWeb会議システムを使いこなす必要があります。
円滑なコミュニケーションは、業務効率の向上につながり、ひいてはクライアントとの信頼関係構築にも役立ちます。
さらに、セキュリティに関する知識も重要です。経理は立場上、顧客情報や財務データといった機密情報を扱うため、適切なセキュリティ対策を講じることが求められます。
フリーランス経理として働く上で、コミュニケーションスキルは非常に重要です。クライアントとの信頼関係を築き、スムーズに業務を進めるためには、的確なコミュニケーションスキルが必要とされます。
株式会社みらいワークスが行った調査によると、フリーランスに求められる能力として、コミュニケーション能力(72.1%)は、専門スキル(69.9%)に次いで2番目に高い結果が出ています。
これは、フリーランスとして働く上で、専門スキルだけでなく、コミュニケーション能力も重要視されていることを示しています。
マネジメント能力や責任感といった能力も、円滑なコミュニケーションを土台として成り立つと言えるでしょう。
コミュニケーションスキルの具体例としては、次のようなものが挙げられます。
さらに、フリーランスは単独で仕事を進めることが多いですが、時には他のフリーランスや専門家と連携する場面も出てきます。
チームとして仕事を進める際に、自分の意見を明確に伝え、相手の意見を尊重しながら、協力して業務を進めるためのコミュニケーション能力も重要です。
フリーランス経理には、様々なメリットがあります。時間や場所に縛られず、自分の裁量で自由に働ける点は大きな魅力です。
また、仕事とプライベートが両立しやすいのはもちろん、報酬面でのメリットも大きく、効率よく収入を得られるでしょう。
フリーランス経理として働く最大のメリットは、場所や時間に縛られずに働けることです。
例えば、朝は自宅でゆっくりと仕事を始め、午後は気分転換にカフェで作業したり、コワーキングスペースで他のフリーランスと交流しながら仕事を進めることも可能です。満員電車に揺られる通勤や、職場での人間関係のストレスからも解放されます。
また、育児や介護、趣味の時間など、プライベートの予定に合わせて柔軟にスケジュールを調整できます。自分のペースで仕事を進められるため、ワークライフバランスを実現しやすい働き方と言えるでしょう。
フリーランス経理は、自分の仕事量を自由に調整できます。案件の受注状況に応じて、仕事量を調整することが可能です。
例えば、子育て中の時期は仕事量を減らし、子供が大きくなったら仕事量を増やすなど、ライフステージの変化に合わせて柔軟に対応できます。
また、特定の時期に集中して稼ぎたい場合や、長期休暇を取得したい場合など、自分のスタイルに合わせて仕事量を調整できます。
収入と時間のバランスを自分でコントロールできる点は、フリーランスならではのメリットと言えるでしょう。
フリーランス経理は、仕事とプライベートを両立しやすい働き方です。自分の好きな時間や場所で働けるため、通勤時間や職場での拘束時間を削減できます。
その結果、家族との時間や趣味、自己研鑽など、プライベートの時間を充実させることができます。
子育てや介護など、家庭の事情に合わせて柔軟に働けるため、ワークライフバランスを重視する方にとって、フリーランス経理は魅力的な選択肢となるでしょう。
フリーランス経理は、効率良く収入を得られる可能性を秘めています。
企業に雇用される場合、給与は会社が定めた規定に基づいて決定されますが、フリーランスの場合は、自身のスキルや経験、実績に応じて報酬を設定できます。
例えば、需要の高いスキルや専門性を身につければ、高単価な案件を受注することも可能です。
また、複数のクライアントと契約することで、収入源を分散し、安定した収入を確保することもできます。
さらに、業務効率化のためのツールやシステムを活用することで、より効率的に業務をこなし、収入を最大化することも期待できます。努力次第で収入アップを目指せる点は、フリーランス経理ならではの魅力かもしれません。
フリーランス経理にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。安定した収入を得続けるためには、継続的にスキルアップを図り、変化への対応力も必要です。
将来を見据えて、メリット・デメリットの両方を理解した上で、フリーランスとして働くかどうかの判断をすることが重要です。
企業の決算期である3月や9月は、経理業務が集中するため、フリーランス経理にとっても繁忙期となります。
複数のクライアントを抱えている場合、それぞれのクライアントの繁忙期が重なり、仕事量が急増する可能性があります。
繁忙期には、長時間労働になったり、休日返上で作業する必要が生じたりするケースも少なくありません。適切なスケジュール管理と、自身のキャパシティを把握した上での案件受注が重要です。
フリーランスは、雇用契約を結ぶ会社員とは異なり、毎月安定した収入を得られるとは限りません。案件の受注状況によって収入が変動するため、収入が不安定になる可能性があります。
とくに、フリーランスとして働き始めたばかりの頃は、クライアント獲得に苦労し、収入が安定しない時期を経験するかもしれません。継続的に案件を獲得できるよう、営業活動やスキルアップに励む必要があります。
フリーランス経理の案件獲得は、未経験者にとってハードルが高いのが現状です。
クライアントは即戦力となる人材を求める傾向があり、実務経験や専門知識が豊富なフリーランスが優先的に採用される傾向にあります。
しかし、未経験からフリーランス経理を目指すことが不可能なわけではありません。
企業や会計事務所での実務経験、簿記資格の取得、クラウド会計ソフトの操作スキル習得など、しっかりとした準備をすることで、案件獲得の可能性を高めることができます。
フリーランス経理として活躍するにおいて「資格の取得」は、専門知識とスキルが証明できる、大きな武器となり得るでしょう。
資格は、クライアントからの信頼獲得につながり、案件受注の可能性を高めるだけでなく、自身のスキルアップにも貢献します。
数ある資格の中でも、特にフリーランス経理におすすめの資格を3つご紹介します。
日商簿記検定は、経理・会計分野で最も広く認知されている資格です。日本商工会議所が主催しており、企業の経理担当者だけでなく、フリーランス経理を目指す方にもおすすめです。
3級から1級までレベルがあり、2級以上を取得していれば、企業から求められる水準以上の会計知識を有していると証明できます。
1級 | 高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を習得。 公認会計士・税理士を目指す人におすすめ。 |
2級 | 企業から求められる経営管理の資格の一つ。 高度な商業・工業簿記(原価計算含む)を修得し、財務諸表から経営内容を把握、適切な処理・分析を行うレベル。 |
3級 | ビジネスパーソンが身に着けておくべき基礎知識。 基本的な商業簿記を習得し、経理関連書類を適切に処理できる。 |
とくに2級は、企業規模に関わらず幅広い経理業務に対応できるため、フリーランスとして活躍の場を広げたい方におすすめです。
FASS検定は、財務・会計システムに関する知識とスキルを証明する資格です。公益社団法人全国経理教育協会が主宰しており、企業の財務会計システムの導入や運用、保守に関する知識を体系的に学ぶことができます。実務に活かせる実践的なスキルを習得できるでしょう。
近年、企業のDX推進に伴い、財務会計システムの導入支援やコンサルティングといった業務の需要が高まっています。
FASS検定を取得することで、これらの業務に対応できることを証明できるため、DX化を推進する企業のニーズに応えたい方におすすめです。
フリーランス経理として活動を始めるにあたり、案件の獲得方法は重要です。
自分に合った方法を見つけることで、スムーズにクライアントを獲得し、安定した収入を得られる可能性が高まります。
ここでは、フリーランス経理の案件獲得方法を4つご紹介します。
知人からの紹介は、信頼性の高い案件獲得方法です。すでにフリーランスとして活躍している知人や、企業の経理担当者など、人脈を活かして案件を紹介してもらいましょう。
紹介の場合、クライアントとの信頼関係が築きやすく、スムーズに契約へと進む可能性が高いです。
また、知人から事前にクライアントの情報を聞けるため、自分に合った案件かどうかを判断しやすい点もメリットと言えます。
フリーランスの経理として仕事を探す方法の1つに、求人サイトの利用があります。経理・会計に特化した求人サイトでは、フリーランス向けの案件も数多く掲載されているため、おすすめです。
これらのサイトに自分のスキルや希望条件を登録しておけば、条件に合う案件に応募できるだけでなく、企業から直接オファーが届くこともあります。
求人サイトは、仕事探しの定番ツールとして広く利用されているため、効率的に幅広い案件を探すことができます。
クラウドソーシングサービスを利用する方法です。クラウドソーシングとは、インターネット上で不特定多数の人に業務を委託する仕組みで、様々な案件が掲載されています。
経理・会計関連の案件も多数掲載されており、自分のスキルや経験に合った案件を探せます。
比較的少額の案件から、大規模なプロジェクトまで、様々な案件に挑戦できるため、経験を積みたいフリーランスにもおすすめです。
フリーランス専門のエージェントに登録する方法です。フリーランス専門エージェントは、フリーランスと企業のマッチングをサポートするサービスを提供しています。
例えば、フリーランス専門エージェント「キャリモ」では、キャリアコンサルタントが求職者のスキルや経験、希望条件に合った案件を紹介してくれます。
また、求人の紹介だけでなく、条件交渉の代行、契約書の確認など、手厚いサポートを行ってくれる点も大きなメリットです。
株式会社Hajimariの調査によると、業務委託を探す際、エージェントを活用している企業が最も多いことが明らかになりました。
初めてフリーランスとして働く方や、安心して仕事を受注したい方は、フリーランス専門エージェントへの登録を検討してみてはいかがでしょうか。
例えば「キャリモ」は、キャリア女性に特化したフルリモート案件を紹介する、フリーランス向けのエージェントです。
キャリモは、長期的に働ける案件が多く、 安定した収入を得たいフリーランスにとって、長期的な契約は大きなメリットとなります。
また、報酬は全て時給制で支払われ、月の稼働時間も要望に合わせて調整できるため、収入計画を立てやすく、ワークライフバランスを重視する方にもおすすめです。興味のある方は、キャリモのウェブサイトで詳細を確認してみてください。
フリーランスの経理として、安定した収入を得るためには、戦略的な活動が欠かせません。例えば、次のような工夫をすることが大切です。
安定収入を得るための具体的な方法を4つご紹介します。
長期案件は、安定した収入を得るための重要な要素です。継続的に仕事を受注できるため、収入の変動リスクを軽減できます。
長期案件を獲得するためには、クライアントとの信頼関係を構築することが重要です。質の高い業務を提供し、クライアントの期待に応えることで、継続的な契約に繋がる可能性が高まります。
また、専門性の高いスキルや資格を保有していれば、長期的な契約に繋がりやすい傾向にあります。専門性を高めるための学習や、資格取得に挑戦することも検討してみましょう。
フリーランスの経理として安定した収入を得るには、複数のクライアントを持つことが効果的です。1つのクライアントとの契約が終了しても、他のクライアントからの収入があれば、収入の減少や途絶のリスクを軽減できます。
さらに、様々なクライアントと仕事をすることで、多様な業界の知識や経験を積むことができ、スキルアップにもつながるでしょう。
ただし、複数のクライアントを抱える場合は、それぞれのクライアントのニーズにきめ細かく対応する必要があります。
それぞれのクライアントとの良好なコミュニケーションを図り、期待に応えることで、長期的な信頼関係を築くことが期待できます。
経理の経験は、他のビジネス分野でも活かすことができます。例えば、財務分析や経営コンサルティング、事業計画策定支援など、経理の知識やスキルを応用できる分野は多岐に渡ります。
これらの分野で活躍することで、収入源を増やすだけでなく、キャリアの幅を広げられるかもしれません。
また、複数の専門分野を持つことで、他のフリーランスとの差別化を図り、独自の価値を提供できるようになります。
常に新しいスキルや知識を学ぶ姿勢を保ち、自身の市場価値を高めていくことが、フリーランスとして成功する秘訣です。
長年培ってきた経理の経験と専門知識を活かし、コンサルタントとして活躍する方法もあります。
例えば、企業の経営課題を分析し、財務状況の改善策や、業務効率化のためのアドバイスを提供することで、高単価な案件を獲得できる可能性があります。
実際に、コンサルティングはフリーランスの収入源としてもよく挙げられる、需要の高い職種です。フリーランス協会が発表した「フリーランス白書2024」でも、主な収入源として3位に上がっています。
特定の業界・業務に特化した専門知識があれば、より高い付加価値を感じてもらえるかもしれません。
クライアントにとって、経営上の課題解決に貢献できるフリーランスは貴重な存在です。専門性を高め、独自の強みを持つことで、スペシャリストとして活躍の場を広げましょう。
フリーランス経理の仕事内容や必要なスキル、メリット・デメリット、案件の獲得方法などについて解説しました。
フリーランス経理は、時間や場所に縛られずに働ける自由度の高い働き方ですが、安定した収入を得るためには、継続的な努力とスキルアップが必要です。
もし、フリーランス経理として新たなキャリアに挑戦したいと考えているなら、まずは情報収集から始めてみましょう。
フリーランス専門エージェント「キャリモ」では、キャリアコンサルタントがあなたのスキルや経験、希望条件に合った案件を紹介してくれます。
フリーランスとしての働き方やキャリアプランについて相談したい方は、ぜひ「キャリモ」に相談してみてください。