フリーランスとして働く人が増えており、女性もフリーランスとして活躍する時代となりました。しかし、「フリーランスになりたいけど後悔しないだろうか?」と不安を感じている女性も多いのではないでしょうか。
自由度高く働けるフリーランスですが、実際に働き始めると、思わぬ壁にぶつかることもあります。
本記事では、フリーランスとして働く女性が後悔している割合やその理由、体験談、そして後悔しないための対策について解説します。
また「後悔せずにフリーランスで働きたい」と考えている女性におすすめのエージェントも紹介しているため、ぜひ最後までお読みください。
フリーランスやパラレルワーカーを対象に調査した「フリーランス白書2020」によると、「働き方に対する満足度」について「不満」と答えた人は5.6%でした。フリーランスの多くは、現状の働き方に満足していることがわかります。
注目すべきは「フリパラ歴」が長くなればなるほど、達成感や充実感に対して「満足している」と答えた人が増えている点です。
フリパラとは、フリーランスとして独立している人だけでなく、パラレルワーカーとして複数の職業やキャリアを持っている人たちを指します。
独立してから年数の少ないフリーランスよりも、10年以上フリーランスとして働いている人たちの方が「達成感や充実感」に対し、おおむね満足している傾向にあるようです。
フリーランスとして働いている女性は、2022年の時点でおよそ63万人いることが総務省統計局の調査で明らかになりました。コロナ禍で在宅ワークが増えたことをきっかけに、フリーランスとして働くことがますます注目されています。
年代 | フリーランスで働く女性の数 |
---|---|
20代 | 65,300人 |
30代 | 166,600人 |
40代 | 188,200人 |
50代 | 172,900人 |
フリーランスとして働く女性の年齢層は幅広く、年代が上がるにつれて、フリーランス人口が増えていることがわかります。
フリーランス白書2020によると、女性がフリーランスとして働いた場合、年収は200万未満が30.8%、200万〜400万未満が28.9%、400〜600万未満が17.4%、600〜800万未満が8.9%であることが明らかになりました。dodaがおこなった調査では、ビジネスパーソンの女性の平均年収は329万といわれています。
フリーランスとして働く女性の人口は、年齢が高くなるにつれ増えており、会社勤めの平均給与よりも高い年収を得ている人が一定数います。女性がキャリアを諦めず、安定した収入を得ながら働く選択肢として、フリーランスは今後も期待できるでしょう。
フリーランスになった女性が後悔している理由には「収入の不安定さ」や「社会的信用の低さ」などが挙げられます。会社勤めと違い、フリーランスは責任の全てを個人で背負う必要があるため、その大変さに後悔する人も多いです。
女性がフリーランスになって後悔する主な理由をみていきましょう。
フリーランスの収入不安定性は、最大の後悔ポイントと答える人が多いです。フリーランス協会の調査によると、フリーランス女性の約40%が収入に不安を感じていると報告しています。
今まで会社勤めをしていた人は、固定給として毎月安定した給料を得ていました。しかし、フリーランスの収入の多くは成果報酬型です。成果物を納品して初めて報酬を得られる不安定な働き方に変わることで、収入に対する不安を感じるのも無理はありません。
特に独立初期は、営業活動や案件獲得に時間がかかるため、安定した収入を得るまでに3〜6ヶ月程度必要となります。
フリーランスは時間の融通が利くため、育児や家事との両立が比較的しやすいですが、仕事と家庭生活の境界線が曖昧になる面もあります。家庭と仕事のバランスが難しいといった、新たな課題も生まれます。
在宅で仕事をする場合「子どもの急な体調不良」や「保育園の行事」が仕事の締め切りと重なると、優先順位の判断に迷うことがあります。また、子どもが幼い場合は仕事の集中力が保てず、夜型の働き方になりやすい傾向があります。
一方で、フリーランスならではのメリットも多くあります。保育園の送迎時間に合わせて仕事のスケジュールを組めることや、子どもの学校行事に参加しやすい点は、多くの女性フリーランスが満足している部分と言えます。
フリーランスという働き方は年々認知度が高まっていますが、依然として社会的信用面での課題が残っています。
特に、住宅ローンの審査では、フリーランスの収入証明が複雑なため、正社員と比べて承認までに時間がかかるケースが多く発生します。また、クレジットカードの発行や携帯電話の新規契約時にも、在籍確認や収入証明の提出を求められる可能性が高いです。
一方で、近年はフリーランス向けの金融商品やサービスも増えています。フリーランス専門の住宅ローン商品や、確定申告書類での審査に対応する賃貸物件が登場し、徐々に環境は改善傾向にあります。
まずは経験年数や実績を積むことで、個人事業主としての信用力を向上させることが重要です。
フリーランスは健康保険や年金などの社会保障制度を自身で整える必要があり、この点が大きな不安要素となっています。
国民健康保険料は年収によって変動しますが、会社員の健康保険と比べると負担額が大きくなります。傷病手当金や出産手当金といった制度もないため、病気や出産で働けない期間の収入保障がありません。
2024年より施行されたフリーランス新法により、介護や出産において、一定の保護や支援を受けられる環境が整いつつあります。しかし、会社勤めをしている場合の社会保障や福利厚生に比べると、まだまだ課題は残っていると言えるでしょう。
在宅で働くフリーランスの女性が直面する課題の1つに、孤独感があります。株式会社テックビズがおこなった調査によると、フリーランス歴1年目の60%以上が孤独を感じている感じていることが明らかになりました。
さらに、孤独感や不安を感じた際、気軽に相談できる相手が「あまりいない」もしくは「全くいない」と答えた回答者は64.3%にものぼりました。
オフィスでの何気ない会話や情報交換の機会が減少することで、コミュニケーションが不足し、孤独を感じることに繋がります。また、締め切りに追われる時期や案件が少ない時期は精神的なストレスを感じやすく、メンタルヘルスケアが重要であると言えます。
フリーランスとして働く女性が直面する問題の中で、契約トラブルは特に厄介であると言えます。安定した仕事の継続を脅かし、次のようなトラブルに発展することが多いです。
2024年に施行されたフリーランス新法により、発注事業者との契約条件の書面化が義務付けられ、一方的な契約変更や解除が禁止されるなど、フリーランスの権利を守る基盤が整備されました。しかし、法律による保護を確実に受けるためには、フリーランス側も適切な対策を講じる必要があります。
フリーランスになって後悔する女性には、目標設定ができていなかったり、スキルや経験が足りていなかったりと、準備不足が目立ちます。
フリーランスとして成功するためには、明確な目標設定が不可欠です。しかし、後悔を感じる女性の多くは「なんとなく自由に働きたい」「収入を増やしたい」といった漠然とした目標しか持っていません。
具体的な目標がないため、仕事の選び方や優先順位の判断基準が曖昧になりがちです。月の目標収入や、獲得したい案件数、スキルアップの方向性が定まっていないため、闇雲に仕事を受注して疲弊したり、低単価の仕事を多数抱えて身動きが取れなくなったりするケースも少なくありません。
また、長期的なキャリアビジョンが描けていないため、市場価値を高めるための戦略的なスキルアップや、専門性の確立ができません。その結果、競合との差別化が難しくなり、価格競争に巻き込まれやすくなります。
個人事業主として独り立ちするためには、経営者としての視点も必要です。自身のサービスの市場価値や、提供できる付加価値を客観的に分析し、それに基づいた具体的な事業計画を立てることが、後悔のない独立につながります。
後悔を感じる女性のフリーランスの多くは、独立に必要なスキルレベルを過小評価し、準備不足のまま独立を選択しています。
特に起こりやすい問題は、主力となる専門スキル以外の不足です。例えば、デザインの技術は高くても、見積書作成や請求書発行といった事務作業に手間取ったり、営業力が弱く新規顧客の獲得ができなかったりするケースが見られます。フリーランスは専門スキルだけでなく、営業、経理、時間管理など、多岐にわたるビジネススキルが求められます。
また、実務経験の浅さも大きな壁となります。独立直後は仕事の見積もりが甘くなりがちで、作業時間の読み違いや適正な価格設定ができないことがあります。クライアントとの打ち合わせでも、要望を正確に理解し、適切な提案をすることに苦労する場合が多いようです。
さらに、業界特有の慣習や取引先との関係構築など、経験を通じてしか得られない知識も重要です。独立前の会社での経験は、フリーランスとして活動する上で大きな財産となります。
多くの女性フリーランスにとって、営業活動は大きな心理的ハードルとなっています。技術やスキルには自信があっても、自分の価値を伝えたり、適切な価格で仕事を受注したりすることに苦手意識を持つ傾向があります。
特に女性は、価格交渉の場面で「適正価格を主張すること」をためらいがちです。自身のサービスの価値を低く見積もってしまい、本来請求すべき金額よりも低い価格で妥協してしまうケースが少なくありません。
また「押しが強い営業は嫌われるのでは」という不安から、消極的な姿勢になってしまうこともあります。
営業活動の中でも、新規開拓は大きな壁となります。知人や紹介経由の仕事には慣れていても、未知の相手に自分から連絡を取ることへの抵抗感が強く、結果として安定した案件確保が難しくなります。SNSでの情報発信も、「自己アピールが苦手」という理由で消極的になりがちです。
フリーランスとして働いている女性が、実際に後悔している声を集めてみました。
色んな経費を立て替えるのだるすぎるし確定申告やらなんやらの事務作業苦手すぎてフリーランス向いてないので就職します🫠🫠🫠🫠🫠🫠
— Naomi Marguerite(あさの) (@ab112731) November 24, 2024
2年前、「フリーランスになりたい」と夢抱いて、Twitterを始めた。でも甘くなかった。見よう見まねでやるけど、なかなか馴染めず。マインドブロックもあって行動しきれない。ぐずぐずしてたら生活費と心の余裕がなくなった。とりあえず抜け出したくて、派遣で仕事を再開。なので副業しものん始めます。
— しものん|自分のペースを保つ人 (@NonShimoWeb) October 5, 2022
フリーランスとして女性が働く上で、適切な職種を選んだり、業務委託契約に関する理解を深めたりすることは重要です。後悔しない為にできる対策を紹介します。
フリーランスとして成功するためには、自身の強みと市場ニーズの両方を見極めることが重要です。独立に向いている職種は、経験とスキルの蓄積があり、かつ市場での需要が高い分野です。
まず、自身のキャリアを振り返り、どのような分野で専門性を築いてきたかを整理します。営業職としてのキャリアがある場合、営業で培った折衝力を活かしてコンサルタントになる手もあります。また、人事での経験がある場合は、採用支援をおこなうこともできますね。これまでの経験を活かせる方向性を探りましょう。
次に重要なのが市場ニーズの分析です。次のようなデジタル領域のスキルは需要が高く、比較的安定した案件確保が期待できます。
さらに、将来的な市場動向も考慮に入れましょう。AI関連技術やデータ分析、サステナビリティ分野など、今後成長が見込まれる領域でスキルを磨くことで、長期的な活躍が期待できます。
フリーランスの多くは業務委託契約のもとで働きますが、業務委託契約は正社員の雇用契約とは大きく異なります。理解不足によるトラブルを防ぐためにも、独立前に基礎知識を習得しておくことが重要です。
まず、業務委託契約の基本的な特徴を理解しましょう。業務委託契約は主に請負契約と準委任契約の2種類に分けられます。
請負契約とは、請負人が仕事を完成させることを約束し、注文者がその成果物に対して報酬を支払う契約です。「記事を作成して1本◯円」「Webサイト納品して1つ◯円」といった報酬の支払い方で、ライターやデザイナー、エンジニアなど専門職に多い傾向です。
一方で準委任契約とは、成果物の完成責任は問わず、業務の遂行を目的に対価が支払われる契約です。つまり、時給制というイメージとなります。
どちらもフリーランスは発注者と対等な立場で仕事を請け負うため、時間や場所、作業方法は自身で決められます。
一方で、仕事の完遂責任を負い、納期や成果物の品質に対する責任は全て自分にあります。指揮命令を受ける雇用関係とは異なり、自己判断と自己責任が求められます。業務委託を結ぶ際、契約書で注意しておくべき重要なポイントは次の通りです。
また、税務面での違いも把握が必要です。フリーランスは確定申告が必須となり、収入から経費を差し引いた所得に対して税金を納めます。また、経費として計上できる項目(事務所家賃、通信費、機材費など)についても事前に理解しておくと、適切な税務管理ができます。
フリーランスとして働くことは、自分らしい働き方を実現できる大きなチャンスです。しかし、漠然とした「自由な働き方」への憧れだけでは、独立後にギャップを感じる可能性があります。理想の働き方を具体的にイメージし、それを実現するための計画を立てることが、後悔のない独立への第一歩となります。
まず、以下のような観点から自分の理想を明確にしましょう。
理想の働き方が明確になったら、それを実現するために必要な要素を洗い出します。
理想と現実のギャップを埋めるため、段階的な目標設定も効果的です。例えば、最初の半年は既存スキルを活かした案件で実績を作り、その後新規分野にチャレンジするなど、着実にステップアップしていく計画を立てましょう。
独立前に理想の働き方を具体的にイメージし、実現に向けた準備を進めることで、フリーランスとしての成功確率が高まります。焦らず、自分のペースで理想の働き方に近づいていくことが、持続可能なフリーランス生活への近道です。
フリーランスとして後悔を感じる原因は人それぞれですが、具体的に問題点を分析することで、改善の糸口が見えてきます。漠然とした不安や後悔を、具体的な課題として整理することが解決への第一歩です。
自身の後悔している点を、収入面から分析してみましょう。
働き方そのものに問題があるかもしれません。以下の要素を見直すことも重要です。
フリーランスは孤独を感じやすいため、メンタル面での不安を抱えている人も多いです。「フリーランスになった後悔」につながっている原因はないか、自身の生活や身の回りを振り返りましょう。
フリーランスを続けていく上で、常にスキルアップが必要となります。うまく提案が通らない場合や単価が思うように上がらない場合は、次の課題を抱えている可能性があります。
このように具体的に課題を特定することで、優先的に取り組むべき項目が明確になります。また、課題に対して一人で抱え込まず、同業者やメンターに相談することで、新たな解決策が見つかることもあります。抱え込まず、相談できる環境を探してみてくださいね。
フリーランスとして働く上で、同じ立場の仲間との交流は大きな支えとなります。オンライン・オフライン両方のコミュニティに参加することで、孤独感の解消だけでなく、仕事の幅を広げるチャンスも生まれます。
コミュニティ参加のメリットには、次のようなものがあります。
コミュニティへの参加方法は様々で、オンラインを活用し、SNSのフリーランスグループやオンラインサロンに参加するのもおすすめです。コワーキングスペースを利用したり、勉強会やセミナー、業界別の交流会に参加することで人脈を広げるのも有効です。
効果的なコミュニティ活用のポイントは、ただ参加するだけでなく、積極的に交流すること。初めは情報収集が中心でも、徐々に自身の経験や知識を共有し、お互いに高め合える関係を築いていきましょう。
コミュニティは仕事上の悩みを共有し、解決策を見つける場としても機能します。同じような課題を乗り越えてきた先輩フリーランスのアドバイスは、実践的で役立つものが多いです。一人で抱え込まず、コミュニティの力を借りて、より良いフリーランス生活を築いていきましょう。
フリーランスとして成功するために、全ての時間と労力をメイン事業に注ぐ必要はありません。むしろ、アルバイトやパートタイムなどの副業を持つことで、収入面やメンタル面で安定するため、さらなる成長につながる可能性が出てきます。
カフェでの接客業務は定期的な収入だけでなく、場合によっては、新しい出会いが生まれるかもしれません。コワーキングスペースのスタッフとして働いたり、フリーランスが多く集まる場所で接客業をする方法もあります。
特に独立初期は、副業による安定収入があることで、メイン事業での無理な受注や値下げを避けることができます。週2〜3日程度から始めて、メイン事業の状況を見ながら徐々に調整していくことをおすすめします。
フリーランスの大きな課題の1つが、安定した案件の確保です。特にフリーランスになったばかりの人は営業活動に苦手意識を持ち、うまく提案できていない可能性もあります。
フリーランス向けのエージェントサービスを活用することで、案件探しの時間を削減し、本来の業務に集中できる環境を整えることができます。親身なエージェントを利用することで、ただ案件紹介をしてもらえるだけでなく、単価交渉のサポートや契約書の確認、さらには確定申告のアドバイスまで、フリーランスの働き方を総合的にサポートしてくれます。
例えば、フリーランス特化型のエージェントサービス「キャリモ」では、専任のキャリアアドバイザーが個々の状況や希望に合わせて、最適な案件をマッチングしてくれます。
「週3日」または「週5日×1日3時間から」など勤務形態も柔軟なため、フリーランスならではの働き方が実現できます。さらに、営業アシスタントやオンライン秘書などの案件も扱っているため、これまで企業で勤務していた経験も活かせます。
「せっかくフリーランスになったのだから、後悔したくない!」といった方におすすめのサービスです。
フリーランスという働き方は、自由度が高い反面、様々な課題や不安と向き合う必要があります。収入の不安定さ、契約トラブル、孤独感など、多くの女性フリーランスが経験する後悔のポイントを理解し、事前に対策することが重要です。
後悔しないフリーランス生活を送るためには、自身の経験やスキルを活かせる職種を選び、理想の働き方を具体的にイメージすることで、現実とのギャップを最小限に抑えられます。
また、一人で抱え込まず、コミュニティへの参加や副業の活用、エージェントサービスの利用など、様々なサポート体制を整えることをお勧めします。特に独立初期は、焦らず段階的にステップアップしていく姿勢が大切です。
自分らしい働き方を見つけ、持続可能なフリーランス生活を実現するために、本記事で紹介したポイントを参考にしてみてくださいね。