近年、一切オフィスに通勤せずに働くフルリモートの働き方が注目を集めています。
「フルリモートは最高」という声を聞き、完全在宅での働き方に憧れている人は多いはず。ただし、働き方やメリット・デメリットなど、実態が見えない部分も多く「本当にフルリモートっていいことばかりなの?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、フルリモートで働くメリット・デメリットや向いている人の特徴など、フルリモートでの働き方を検討する際に知っておくべき実情を紹介します。
フルリモートで採用されるためのコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
まずは、フルリモートとして働く5つのメリットについて詳しく説明します。
通勤に費やす時間を仕事や自分の時間に充てることができるため、効率的に働けます。
統計局による「令和3年社会生活基本調査」では、1日当たりの通勤・通学時間の平均は全国で1時間19分であることが分かっています。
毎日1時間19分通勤にかかっている人が、月20日間働いたとすると、通勤にかける時間は1年間で約285時間。丸々12日分を通勤に費やしていることが分かります。この時間全てをゼロにできると考えると、かなり大きな「時短」になりそうです。
通勤時間がなくなることで、自由に使える時間が増え、その時間を趣味や家族との時間、自己投資などに充てることができます。仕事とプライベートのバランスを取りやすくなるでしょう。
フルリモートでは、自分のペースで仕事を進められるため、ワークライフバランスを整えやすくなります。子育てや介護など、家庭の事情に合わせて柔軟に働けるようになるでしょう。
フルリモートの企業では、優秀な人材を世界中から集められるうえ、応募者も多いため、同僚のレベルが高い傾向にあります。刺激的な環境で働くことで、自身のスキルアップにつながります。
オフィスの雑音や、不要な雑用を実施する必要がないため、集中して仕事に取り組めます。
また、フルリモート文化が根付いている組織では、働いた時間よりも成果を重視しやすいカルチャーを持っていることが多く、生産性を追求しやすいこともポイントです。
フルリモートには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。ここでは、フルリモートの5つのデメリットについて詳しく説明します。
フルリモートでは、対面でのコミュニケーションが少ないため、意思疎通が難しくなる場合があります。
従業員が全員フルリモートで働くことで有名な米企業GitLabでは、リモートでのコミュニケーションで重要なのが「ローコンテキスト・コミュニケーション(文脈に頼りづらいコミュニケーション)」の考え方であると発表しています。
言葉の調子や表情、雰囲気などの「文脈」に頼れないからこそ、誤解や不信感などが生まれづらくなってしまうリモートでのコミュニケーション。慣れないうちは、テキスト情報で過不足なく言いたいことを伝えるために、一定の学習が必要になるといえるでしょう。
対面での交流が少ないリモート環境では、孤立を感じてしまう人も多いかもしれません。特に、リモートワークにあまり慣れていない人や、初めてリモートワークを始めたばかりの人は、これまでの労働環境とのギャップで、孤独感を強める傾向にあります。
さらに「誰に頼ればいいか分からない」と感じてしまった人は、誰かに相談することも難しく感じてしまうものです。
リモートワークを実施している会社で働く場合、「オンライン上に、業務にまつわるマニュアルやハンドブックなどがあるか」をチェックしておきましょう。疑問が生じたとき、人に質問せず自分で解決できるため、組織に早く馴染めそうです。
参考:Combating burnout, isolation, and anxiety in the remote workplace | The GitLab Handbook
フルリモートでは、仕事と私生活の境界線が曖昧になりがちです。つい仕事に没頭してしまい、長時間労働になってしまうこともあるでしょう。
また、オフィスと違って周りに同僚がいないため、一人で黙々と仕事を進めがちです。
適度に休憩を取ったり、同僚とコミュニケーションを取ったりすることを意識しないと、知らず知らずのうちにハードワークになってしまい、心身に悪い影響が出てしまう可能性があります。
一方で、自宅で仕事をしていると、つい怠けてしまう人もいます。オフィスであれば、周りの目があるため仕事に集中しやすいですが、フルリモートでは自分で自分を律する必要があります。
怠け癖がある人は、フルリモートでは仕事の効率が下がってしまう可能性があります。自己管理能力が求められる働き方だといえるでしょう。
フルリモートでは、オフィスで働くときと比べて、周りの人から学ぶ機会が少なくなります。
また、わからないことがあっても、気軽に同僚に聞けないため、自分で調べたり、試行錯誤したりする必要があります。
スキルを身につけづらい環境であることに自覚的になっておく必要があるといえるでしょう。
さらに、マネージャー層がオフィスに通勤している場合、新しい業務を誰かに任せたいと思ったとき、オフィスに出勤している人が目についてしまい、リモートワーカーには仕事が回ってきづらい状況が作られてしまうかもしれません。
キャリアや経験を積みづらいことには十分注意しておきましょう。
フルリモートが向いている人の特徴を3つ紹介します。
フルリモートでは、自分で仕事を管理する必要があります。自分でスケジュールを立て、優先順位をつけ、期日を守ることが求められます。
自分で自分のタスク管理ができる人は、フルリモートでも高い生産性を維持できるでしょう。
フルリモートでは、対面でのコミュニケーションが少ないため、テキストベースでの意思疎通が中心となります。そのため、自分の考えを明確に伝える能力が求められます。
チャットやメールでも的確に意思疎通ができる人は、フルリモートでの働き方に適しているといえるでしょう。
フルリモートでは、チームメンバーがバラバラの場所で働くため、業務の全体像を把握しづらくなります。自分の担当業務だけでなく、プロジェクト全体の進捗状況を理解することが重要です。
業務の全体像を把握できている人は、自分の仕事を適切に進めることができます。また、必要に応じて他のメンバーとコミュニケーションを取ることもできるでしょう。
一方で、フルリモートが適していない人もいます。ここでは、フルリモートをやめた方がいい人の特徴を3つ紹介します。
フルリモートでは、自分で仕事を管理する必要があります。しかし、仕事への責任感が低い人は、怠けてしまったり、期日を守れなかったりする可能性があります。
仕事への責任感が低い人は、オフィスで働く方が、周りの目があるため、仕事に集中しやすいかもしれません。
自宅で仕事をしていると、つい怠けてしまう人もいます。テレビを見たり、昼寝をしたり、私用をしたりと、仕事以外のことに時間を使ってしまう可能性があります。
サボり癖がある人は、フルリモートでは生産性が下がってしまうかもしれません。自己管理能力が求められるため、フルリモートには向いていないといえるでしょう。
フルリモートでは、チャットやビデオ会議などを使ってコミュニケーションを取る必要があります。しかし、人に自分から話しかけるのが苦手な人は、コミュニケーションが円滑に進まない可能性があります。
人に自分から話しかけるのが苦手な人は、オフィスで働く方が、気軽に同僚に話しかけることができるため、コミュニケーションが取りやすいかもしれません。
フルリモートで働きたいと考える人にとって、最も大きな障壁となるのが「そもそも採用されない」ことではないでしょうか。ここでは、フルリモートの採用や継続案件が決まりづらい人の特徴を5つ紹介します。
フルリモートでは、テキストベースでのコミュニケーションが中心となります。そのため、コミュニケーション能力の低い人は、採用や継続案件が決まりづらい傾向にあります。
たとえば、面接時やオンラインミーティングなどの開始時、終了時に挨拶ができない人は「コミュニケーションが低いかもしれない」と警戒される傾向にあります。
また、業務に関する質問に対して、曖昧な回答をしたり、的外れな返答をしたりする人も敬遠されやすいため、注意が必要です。
また、自分の進捗状況や問題点を正確に報告できない人は、採用や継続案件が決まりづらくなるでしょう。
フルリモートでは、依頼内容を正確に理解し、適切に業務を遂行することが求められます。
たとえば、クライアントが求めている要件や目的を正しく理解できないことや、締め切りを守らないこと、質の低い成果物を提出することなどが続くと、「業務への理解度や責任感が低い」と認識されてしまうかもしれません。
また、クライアントの要望や指示を無視して、自分のやり方を押し通そうとする人についても、長期的に働きたいとは思ってもらえないかもしれません。
自己研鑽が常に求められるフルリモートでの働き方。技術や知識を常にアップデートし、高いスキルを維持することが求められます。
新しい技術や知識を学ばず、業務に関する質問に対して的確な回答ができない人や、古い情報に基づいて作業をしてしまい、手戻りが発生する人は、次も仕事をしたいとは思ってもらえないかもしれません。
フルリモートでは、働き方が見えない分、厳密に締め切りを守る必要があります。
スケジュール管理が苦手で、締め切りに間に合わない人や、タスクごとの優先順位をつけられず、重要な業務に着手できない人は、クライアントからの信頼を損なってしまうかもしれません。
また、同時に複数の業務を抱えてしまい、納期を守れなくなることも考えられます。
「今の自分がするべき作業」「今後発生するであろう作業」などを細かくチェックしながら、日々の業務にあたる必要があるといえるでしょう。
マイペースすぎて、クライアントを必要以上に待たせるような場合も、信頼関係を築きづらくなるかもしれません。
また、ミスをした際に長々と言い訳をしたり、自分の非を認めず、他人のせいにしてしまったりする場合も、クライアントから不信感を持たれてしまうかもしれません。
フルリモートで働く際に、採用や継続案件が決まりやすい人には、いくつかの共通した特徴があります。ここでは、そのような人の特徴を4つ紹介します。
クライアントからの連絡に対して、正確かつ速やかに返信することは、フルリモートで働く上で非常に重要です。
GitLabでは、テキストコミュニケーションでは、以下9つのことを心がけると、相手に伝わりやすくなることが紹介されています。
参考:Communicating effectively and responsibly through text | The GitLab Handbook
クライアントの依頼内容を正確に理解し、目的を把握することは、高品質な成果物を提供する上で不可欠です。
クライアントの要望は事前にしっかりとヒアリングし、必要な要件を明確にしましょう。曖昧な点があれば、追加の質問をして確認します。
また、単に指示された作業をこなすのではなく、クライアントの最終的なゴールを意識して業務を進めると、信頼関係が早く作り出せるでしょう。
クライアントの期待以上の成果を提供することで、信頼を獲得することができます。
たとえば、現状の問題点を指摘し、具体的な改善案を提案することで、クライアントのビジネスに貢献できるアイデアを出してみることが考えられます。
また、現在の業務に関連した追加の業務を提案することで、クライアントのニーズを予測し、先回りして提案することも肯定的に受け取られることが多い傾向にあります。
フルリモートで働く際は、自ら学び、試行錯誤することが重要です。
たとえば、業務に関連する新しい技術や手法については、積極的に学び続けましょう。習得した知識を業務に活かし、生産性を向上させます。
また、新しいことにチャレンジする際は、失敗を恐れないマインドも必要です。
フルリモートで働くなら、会社に雇用されるだけでなく、フリーランスの形で働く選択肢もあります。
フリーランスであれば、自分の希望する案件を選べるうえ、報酬も自分で決められます。副業であっても、本業の収入を維持しつつ、スキルアップや収入アップを目指せるでしょう。
ただし、フリーランスや副業としてフルリモートで働くなら、確実に案件を獲得できる体制が必要不可欠です。そこでおすすめなのが、弊社キャリモが運営する、キャリア女性向けリモート案件マッチングサービス「キャリモ」の利用です。
キャリモは、在宅ワークやリモートワークを希望するフリーランス女性と、優良企業をマッチングするサービスです。会員登録をすると、自分のスキルや経験、希望条件にマッチしたリモート案件を業務委託として紹介されます。
しかも、キャリモに登録している企業は優良企業ばかりなので、安心して仕事を請けられるのもポイント。キャリモのコンシェルジュが、案件獲得から業務遂行、報酬交渉までをサポートしてくれるので、フリーランスとして働いた経験がない人でも安心です。
在宅ワークやリモートワークで新しいキャリアを描きたいなら、ぜひキャリモへの登録を検討してみてはいかがでしょうか。
本記事では、フルリモートのメリットとデメリット、向いている人の特徴、採用や継続案件が決まりやすい人の特徴などについて解説しました。
フルリモートには、通勤時間の短縮やワークライフバランスの向上など、多くのメリットがあります。一方で、コミュニケーションの難しさや孤独感など、デメリットも存在します。
自分の性格や働き方を考えて、フルリモートが自分に合っているか判断することが大切です。もし、フルリモートが自分に合っていると感じたなら、フリーランスや副業という選択肢も検討してみると良いでしょう。
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