フルリモートやめとけ

フルリモートはやめとけって本当?経験者の声と共に実態を紹介

場所にとらわれず仕事ができるフルリモートワーク。地方在住の人や、通勤時間などをなくすことによって1日の時間を最大限に活用したいと考えている人から、大きな注目を集めています。

しかし、フルリモートを体験した人の多くが、同僚や上司、後輩とのコミュニケーションの難しさや孤独感、自己管理の必要性といったデメリットを挙げています。フルリモートは、本当にやめておくべき働き方なのでしょうか。
この記事では、フルリモートでも充実感とやりがいをもって働くためのヒントを解説します。また、独自に実施した、フルリモートで働いている人へのインタビューも掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。

「フルリモートはやめとけ」は本当?実体験を紹介

「フルリモートはやめとけ」というのは本当なのでしょうか?その実態を紹介するため、弊社キャリモで、フルリモートで働く人に独自アンケートを実施しました。

※クラウドワークスを利用し、フルリモートワーカー20人にアンケートを実施した結果の一例

Aさん:心身の健康が維持できるなら◎

会社員として働くAさん。フルリモートで働くデメリットに「不健康になる」「社会とのつながりがなくなる」という2つのポイントを挙げました。

Aさん:「まずは、運動不足になります。また、仕事終わりにコンビニに寄る、駅からの道を歩くといったことがなくなるため、外の様子が分からなくなってしまい、自分が社会から取り残されたように感じることがあります。対策として、ジムに契約しました。また、仕事が終わったら、意識して散歩にも行っています」

周囲にフルリモートを検討している人がいた場合、Aさんは「人によってはおすすめする」と回答しました。

Aさん:「自主的に運動できる人や、仕事とプライベートの切り替えができる人なら、快適に働けると思います。また、週に1回程度なら、どんな人でもすすめられると思います。家事ができるし、普段の働き方と大きくルーチンが変わるので、働くモチベーションが維持しやすいのは大きなメリットだと思っています」

Bさん:ついついサボってしまい、仕事が捗らない……

フルリモートの派遣社員として働くBさん。最初は「理想の職場だ」と考えていましたが、じょじょにデメリットが見えてきました。

Bさん:「監視の目がないのでついついサボってしまい、テレビなどを眺めてしまうようになってしまいました。休憩時間を決めて、メリハリをつけて働くようにしましたが、それでも集中できないときはあります。意志が強く、誘惑に負けない人でなければ、フルリモートワークは難しいと思いました」

ただ、フルリモートワークにはメリットも多いと考えているそうです。

Bさん:「通勤時間もなく、時間を有効に使えるのは素晴らしいことだと思っています。仕事をサボらずこなせる人であれば、やってみて損はないと思います」

Cさん:管理業務にも支障が出る

新型コロナウイルスの対策で、会社全体でリモートワークを導入したCさん。管理職だったため、業務に大きな支障が出たといいます。

Cさん:「自分だけならいいのですが、部下が仕事をしているのか管理しづらくなり、進捗管理の仕組みづくりに最初の頃は追われました。オフィスに通勤していた頃よりも意識して、チーム内でコミュニケーションを取るようにしています。『きょうは何をする予定か』『気になっていることはあるか』など、考えや予定については毎日話を聞いています」

フルリモートワークを実施しても問題がない人にはどのような人がいるかを聞いてみると、以下のような回答をいただけました。

Cさん:「報告・連絡・相談を実施するべき適切なタイミングを理解している人です。おそらくですが、社会人経験が何年かなければ、こういった社会人としての『カン』は身につかないのではないかと思います。たとえば、新卒から急にフルリモートになってしまうと、連絡を取るべきタイミングを逃してしまい、トラブルを引き起こしたりする可能性がゼロではないのかなと。また、仕事に対してそれなりに責任感を持っており、仕事を終わらせるため、集中して取り組めるかどうかは重要だと感じました」

ただ、基本的にはどのような人にも、フルリモートワークはおすすめしたいとのこと。

Cさん:「通勤は誰にとっても、それなりにストレスだと思います。通勤時間がゼロになるというのは、大きなメリットかなと思うので、ぜひすすめたいですね」

フルリモートワークが「やめとけ」といわれる理由は?

フルリモートワークが「やめとけ」といわれる理由は、さまざま存在します。リモートワークのデメリットについて、それぞれ見ていきましょう。

スキルが身につきづらいから

フルリモートワークでは、対面でのコミュニケーションが減少するため、先輩や上司からの直接的なフィードバックや指導を受ける機会が少なくなります。その結果、新しいスキルを身につける速度が遅くなったり、仕事の質に影響が出ることがあります。

また、リモートワークで実施できる業務は、オフィスに通勤する業務よりも幅が狭くなりがちです。オフィスに通勤している人のほうが、仕事を任されやすいケースはあるかもしれません。

信頼関係を作りづらいから

フルリモートワークの環境下では、チームメンバーや上司との間で顔を合わせる機会がほとんどありません。対面でのコミュニケーションに比べて、言葉を使わない情報を伝えることが難しく、お互いの考えを伝えることが大変だと感じる人は少なくないことでしょう。

信頼関係が作れていないチームでは、プロジェクトの進みが悪い、トラブルが起きやすいなどのデメリットも。フルリモートであっても、定期的にビデオ会議を実施するなど、顔を合わせて喋る機会を持っておくとよいかもしれません。

サボりやすいから

オフィスに出勤する必要がなく、自宅や好きな場所で働けるフルリモートワーク。一見、自由度が高く魅力的に見えますが、その自由度が逆にデメリットとなることもあります。

自分で自分を律することができなければ、プロジェクトの進みが遅くなったり、アウトプットの質が低くなることも考えられるでしょう。また、プライベートと仕事の境界があいまいになりがちで、結果として業務に集中しにくくなることも考えられます。

キャリモの独自インタビューでも「常に自宅内で作業を行うため緊張感に欠ける」「気を抜くとサボってしまう」といった声が上がっていました。

求人倍率が高いから

フルリモートワークの求人は、地理的な制限が少ないため、全国どこからでも応募することが可能です。その結果、特に人気のある職種では、非常に多くの応募者が集まり、求人倍率が高くなる傾向にあります。

応募者が多くなるうえ、選考プロセスが厳しくなってしまうケースも考えられます。

社内の雰囲気が掴みづらいから

社内での日常的な会話がなくなるため、企業文化やチームの雰囲気を感じ取ることが難しくなります。チームの一員であるという感覚を持ちにくくなり、居心地が悪く感じることがあるでしょう。また、所属意識が低くなり、1つの職場に長くい続けたいと思えなくなってしまうこともあるかもしれません。

健康を維持しづらいから

フルリモートワークを実施している人の多くが訴えているのが、運動不足。通勤などで歩く機会がなくなった結果、体重が増えてしまう、足腰が弱ってしまうなどのデメリットが考えられます。

また、画面に向き合う時間が増えることや、自宅のデスクやチェアが長時間のデスクワークに適していないことから、目の疲れや姿勢の悪化を招くことも考えられます。

仕事とプライベートの境界が不明瞭になることで、生活のパターンが崩れてしまうことも考えられるでしょう。

成果主義になりやすいから

フルリモートワークでは、物理的な出勤時間が成果の指標となりにくく、仕事のアウトプットがより重視される傾向にあります。事務など、目に見える成果を出しにくい業務を担当している人は、自分が正しく評価されるのか不安になってしまうことがあるかもしれません。

ワークライフバランスが崩れやすいから

柔軟な働き方ができるフルリモートワーク。一方で、仕事と私生活の境界が曖昧で「起きている時間は全て仕事」といった働き方をしやすいことには注意が必要です。

また、家族との時間や趣味の時間が削られ、精神的な充実感が得られにくくなることも理解しておきましょう。

フルリモートワークの業務は通勤の仕事と何が違う?

フルリモートワークと、オフィスで通勤する業務では、働く場所こそ異なりますが、業務内容自体は基本的に同じだと考えて問題ないでしょう。

特に、エンジニア、デザイナー、ライターといった業種では、クライアントやチームメンバーとの連絡手段は多少変わりがあるかもしれませんが、基本的には同じような内容の仕事をすると考えておきましょう。

ただし、基本的にコミュニケーションはテキストベースのコミュニケーション能力がメイン。オンラインで効果的に情報を伝える能力がより重要視されるようになるといえるでしょう。

ただし、オフィスの清掃や、荷物の発送・受け取り、来客対応といった、オフィスに通勤していなければ難しい業務は実施する必要がなくなります。

ただし、すべての職種や業務が、フルリモートでの業務に適しているわけではありません。クライアントの情報や、企業の財務情報など、厳密な管理が求められる職種では、セキュリティの観点からフルリモートワークが難しい場合もあります。

また、接客業など、顧客と直接対面してサービスを提供する業種では、フルリモートワークの適用が難しいのが現状です。

フルリモートワークに向いている人は?

柔軟な働き方が魅力のフルリモートワーク。すべての人に適した働き方というわけではありません。リモートワークに向いている人の特徴について解説します。

一人が苦にならない人

フルリモートワークは、1人で作業を進める時間が多くなります。1人でいることに寂しさを感じず、自分のペースで集中して作業を進められる人にとっては、大きなメリットとなるでしょう。

すでに専門スキルをもっている人

フルリモートワークでは、自身のスキルや知識を活かした業務を求められることが一般的です。一定レベル以上の専門スキルを持っている人は、フルリモートワークで高いパフォーマンスを発揮することができるかもしれません。

また、専門性が高ければ高いほど、企業から「リモートでいいから働いてほしい」と思ってもらえる確率は高まるでしょう。

セルフマネジメント能力がある人

自宅や好きな場所で仕事をする自由度の高さは、フルリモートワークの魅力の一つです。しかし、仕事中にサボらず、効率的に業務を進めるには、自分を律する能力が必要不可欠といえるでしょう。

自分自身で計画を立て、それに従って業務を進められる人は、フルリモートワークで成功しやすいといえます。

通勤が苦手な人

どんなに職場の近くに住んでいたとしても、通勤には時間がかかるもの。身だしなみを整える時間などを考えれば、1日1時間以上が通勤のために使われている人がほとんどでしょう。また、オフィスに適した衣服などを購入する出費が気になる人もいるかもしれません。

毎日の移動にストレスを感じる人にとって、フルリモートワークは理想的な働き方です。通勤による疲労がなくなることで、仕事への集中力やプライベートの時間も充実します。

フルリモートワークに向いていない人は?

一方で、フルリモートワークの環境下で苦労してしまうであろう人も存在します。自宅で働くことが向いていない人の特徴について、詳しく解説します。

一人暮らしの人

一人暮らしをしていると、フルリモートワークによって孤独感が増すことがあります。仕事と私生活の区別がつきにくくなり、社外の人とのコミュニケーションが減少するため、孤立感を感じやすくなります。人との交流を求める人にとっては、フルリモートワークが精神的な負担になることを覚えておきましょう。

新卒の人

社会人としての身のふりようがよく分かっていないことも多い、新卒で入社したばかりの人は、リモートワークは避けたほうが無難です。業務の進め方や社会人としての基礎が学べず、仕事を覚えるまでに時間がかかる、使えない人扱いを受けるなどのデメリットも考えられます。

チームメンバーとの関係構築も難しくなりがちなため、できれば出社をしながら、働き方を覚えていきましょう。

中途入社で正社員の人

中途入社で正社員として新しい環境に加わる人は、組織の文化や業務フローを理解することが重要です。フルリモートワークでは、社内の雰囲気を肌で感じる機会が少なく、チーム内でのポジショニングや役割を掴みにくいことがあります。できれば入社して最初のうちは、出社しながら、組織の雰囲気を掴むことを心がけましょう。

言語化が不得意な人

フルリモートワークでは、コミュニケーションがテキストやビデオ通話を中心とするため、何かトラブルなどが起きたときや、周囲に考えを伝えたいときは、考えを言葉にする能力が求められます。言葉足らずになってしまうと、意思疎通のミスや誤解を招くことがあるため、気をつけたいポイントの1つといえるでしょう。

誘惑に負けやすい人

自宅での勤務は、仕事以外の誘惑が多い環境です。自己管理が不得意で、仕事とプライベートの区別をつけることが苦手な人は、フルリモートワークで生産性を維持することが困難になるかもしれません。

テレビ、ゲーム、家事、SNS、動画サイトなど、業務に集中することを妨げる要因に負けてしまいそうな人は、フルリモートワークよりもオフィスでの仕事を選んだほうがよいかもしれません。

スケジュール管理が苦手な人

フルリモートワークでは、自身で業務のスケジュールを管理し、効率的にタスクを進める必要があります。スケジュール管理が苦手な人は、仕事の優先順位をつけることや、期限内にタスクを完了させることが難しくなることがあるかもしれません。

プロジェクトが進まない、メンバーとの意思疎通がうまくいかない、結果的に自己肯定感が下がる……といった状況に陥りやすいため、注意が必要です。

フルリモートワークでも楽しく働くための方法

フルリモートワークのデメリットやリスクをできる限りなくし、充実しながら働くためには、どのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。詳しく解説します。

残業をなるべくしない

フルリモートワークでは、仕事とプライベートの境界があいまいになり、残業が増えてしまうことがあります。業務時間内に仕事を終わらせることを心がけ、仕事とプライベートのバランスを保つことが大切です。計画的にタスクを進め、必要ならばタイムマネジメントの技術を身につけましょう。

外に出る用事を作る

一日中家にいると、気分転換が難しくなります。外に出る用事を作ることで、リフレッシュできるだけでなく、運動不足の解消にもつながります。散歩をする、近くの店に買い物に行くなど、小さなことから始めてみましょう。ジムに登録してみるのも1つの手段です。

睡眠時間をキープする

生活リズムが乱れがちなフルリモートワーク。できる限り規則正しい生活リズムを保ち、十分な睡眠時間を確保しましょう。日中の集中力も高まります。

人と会う予定を作る

フルリモートワークでは、人との対面でのコミュニケーションが減少します。定期的に友人や同僚と会う予定を入れることで、社会的なつながりを保ち、孤独感を軽減しましょう。オンラインでの交流も良いですが、可能であれば直接会ってコミュニケーションを取れると、孤独感を解消させやすそうです。

コワーキングスペースやカフェで働く

自宅だけでなく、コワーキングスペースやカフェで働くことも、フルリモートワークの醍醐味の1つです。機密情報などがないのであれば、ぜひ自宅以外の場所で働いてみましょう。

異なる環境で仕事をすることで、新たな刺激やアイデアが得られることがあります。また、他のリモートワーカーとの出会いが、新しい発見につながることも、あるかもしれません。

スキルアップは自分から取り組む

フルリモートワークでは、オフィス勤務のときよりも、自分を磨くためのきっかけが作りづらいかもしれません。新しいスキルを習得したり、既存の知識を深めたりするためには、主体的に学習プランを立てて取り組む必要があるといえるでしょう。

雑談やコミュニケーションはむしろ増やす

フルリモートワークでは、チームメンバーとの非公式なコミュニケーションが減少しがちです。しかし、雑談を通じてチームの結束力を高めたり、互いの近況を共有したりすることは、チームワークの向上に不可欠です。積極的にチャットやビデオ通話を利用して、コミュニケーションの機会を増やしましょう。

進捗はこまめに伝える

リモートで働く場合、自分の進捗状況や成果をチームに可視化することは難しいもの。定期的に進捗報告を実施することで、風通しの良いチームを作ることを心がけましょう。

問題が発生した際には早期に対処できるよう、日頃からこまめにコミュニケーションを取ることも重要です。

仕事用のスペースを家に作る

家での勤務がメインとなるフルリモートワークでは、プライベートスペースと仕事スペースを明確に分けることが効率的な作業につながります。専用の仕事スペースを設けることで、仕事モードに切り替えやすくなり、集中力を高めることができます。

出社も検討してみる

完全なフルリモートワークでも、時にはオフィスに出社して同僚と直接顔を合わせることが、新鮮な刺激やモチベーションの向上につながります。可能であれば、定期的に出社日を設けてみましょう。チームの結びつきが強くなるかもしれません。

ストレスなくフルリモートワークで働きたいなら

現時点では、正社員でのフルリモートワークの求人は、まだまだ少ないのが現実です。自分の理想通りに、フルリモートワークで働きたい!と考えている人は、フリーランス(業務委託)での働き方も検討してみましょう。

業務委託とは、企業が特定のプロジェクトや業務を、個人や他の企業に委託することをいいます。働く人が業務の遂行方法や時間を自由に決めることができるため、フルリモートワークと相性が良いことが特徴です。以下のようなメリットがあり、特に育児や介護をしている女性から注目されています。

  • 成果に基づいて評価される
  • ライフワークバランスを重視して働ける
  • スキルや専門知識を活かして働ける

フルリモートワークを探している人は、ぜひキャリモにご相談ください。キャリモは、キャリア女性向けに、完全フルリモート&高単価なアシスタント業務を紹介するマッチングサービスです。

小さなお子様がいる方や地方在住の方でも、安心して働けるような仕事を提供しているほか、仕事は週2日から、または1日3時間からの業務が可能。時給や業務内容の調整はキャリモが代行します。

自分の理想通りの働き方を実現させたい人は、ぜひご相談ください。