フルリモートで採用されない!その原因や面接対策、注意点を紹介

育児や介護などで家を空けづらい環境にある人は、フルリモートでの勤務を検討することもあるのではないでしょうか。一方で、フルリモート勤務の制度がある企業はまだまだ数も少なく、採用されづらいことも事実です。

この記事では、フルリモートで採用が決まらないと悩む人に向けて、採用率を上げるためのコツを解説します。

弊社キャリモの独自調査による、採用が決まった人が心がけたことについてのアンケートなども解説しているため、ぜひ参考にしてください。

フルリモート制度のある企業はまだまだ少ない

フルリモートでの採用を考えている人のなかには「思ったように求人が見つけられない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。ここでは、フルリモート制度を取り入れている企業の数について見てみましょう。

フルリモートを導入している企業の数は?

東京都が発表している資料「テレワーク実施率調査結果 3月」によると、リモートワークを実施している都内企業は、2024年3月現在43.4%。この数字は2023年5月ごろから1年近く横ばいで、今後も大きな変動は出ないことが予想されます。

同資料によれば、在宅勤務を実施する都内企業のうち、週5日のリモート制度を導入している企業は18.1%。つまり、東京都の全ての企業のうち、フルリモートを実施している企業は7.86%ということになります。

東京都産業労働局の資料によると、東京都にある企業数は約26万社。つまり、フルリモートを取り入れている都内の企業は約2万社ということが分かります。

また、株式会社東京商工リサーチによる「テレワークセキュリティに係る実態調査 調査報告書 2023年3月」では、リモートを導入しない理由として、企業から以下のような考えが挙げられています。

  • 業種として実施できない
  • 適した仕事がない
  • セキュリティが心配
  • 進行管理が難しい
  • コミュニケーションに支障がある

自分の業種や職種がリモートに向いているか、進捗などをこまめに相談できるかといったポイントについては、転職先を探す際に気をつけておきたいポイントです。

フルリモート+正社員で採用されるのはハードルが高い?

上述のように、フルリモートを採用している企業はまだまだ数が少ないもの。正社員として採用されることは、狭き門かもしれません。

また、フルリモート環境で働く際は、オフィスに通勤して働くのとは異なるタイプの人材が求められるケースも少なくありません。以下では、フルリモートがマッチしないタイプの人材や、職場の環境について解説します。

新卒での就職

新卒、第二新卒は、社会人としてはたらくうえでの細かなルールを共有できていないことも多く、フルリモートでは育成に限界があると感じる人が多いようです。

新卒・第二新卒の人、もしくは社会人経験のない人で、正社員などの形で雇われて働きたい場合は、オフィスに通勤する職種を検討したほうが、働く先を見つけやすいかもしれません。

受け入れ態勢が整っていない会社

会社がフルリモート勤務を前提として制度を運用していない場合、たとえ応募者にスキルがあったとしても、うまく組織に馴染めない場合があります。

「人間関係が構築できない」「出社している人とリモートの人とで情報に格差がある」といった組織では、うまく馴染みきれず、入社を後悔してしまうことがあるかもしれません。

進捗管理の仕組みが整っていない

オフィスへの出社が前提となっている組織の場合、フルリモートの人が進捗報告をするための手段が整えられていないケースもあります。

フルリモートの条件で入社したにもかかわらず、出社後「思ったような働きをしてくれない」といった理由から、出社が命じられることもあるかもしれません。また、会社の業績によって、最初はフルリモートが許可されていたのに、途中から出社が必要となるケースもあるかもしれません。

フルリモートで採用されない時の主な理由4選

フルリモートでの勤務を推進している組織に応募しているのにもかかわらず、なかなか採用が決まらないときは、応募者の側に以下のような理由があるかもしれません。自分に当てはまるポイントがないか、チェックしてみましょう。

1. スキルや経験不足

フルリモートワークでは、オフィスでの勤務と比べて自己管理能力やスキルがより重要視されます。スキルや経験が企業側から求められるレベルに達していない場合や、業界に対する知識が不足している場合、採用に至らないことも考えられます。

スキル自体は十分にあるケースでも面接に通らない場合は、以下のような問題があるかもしれません。

  • タイミングが悪い
  • 自分のスキルを客観視できておらず、伝わるようにアピールできていない

自分の強みがどのような部分にあるのかは、自分ではなかなか見えづらいもの。アピールに悩む場合は、単発のコーチングサービスなどを利用することも検討してみましょう。

2. コミュニケーションに難あり

オンラインでのコミュニケーションが主となるフルリモート勤務。「言葉だけでなく、表情や身振り手振りにも気を配る」「報告や連絡、相談をこまめにできる」といった態度を、面接中にもアピールしてみましょう。

3. オンライン面接に不慣れ

オンライン面接に慣れているかどうかでも、ITスキルをアピールすることは可能です。カメラの位置や照明、背景などに気を配るほか、オンラインミーティング用のイヤホンやマイクを購入しておくことをおすすめします。

4. 長く勤めてくれるか分からない

フルリモートワークでは、従業員が会社に愛着を持ちづらく、定着率が低くなる傾向にあります。応募者が長期的に勤務してくれるかどうか、企業側は慎重に判断します。応募動機や将来のキャリアプランについて丁寧に説明し、長期的に働く意欲があることをアピールしましょう。

【独自調査】フルリモートで職探しをした人へのアンケート

キャリモでは、フルリモートでの職探しをした人に対して、独自アンケートを実施しました。採用されるまでにかかった時間や、面接で落ちた経験など、人に聞きづらい内容まで詳しく調査したため、ぜひ参考にしてください。

(※)実施期間:2024年04月10日〜2024年04月15日、調査方法:クラウドワークス、n=100

採用されるまでにかかった時間は?

採用されるまでにかかった時間は、多い順に以下のような結果が出ました。

  • 1ヶ月以内:31%
  • 2〜3ヶ月前後:26%
  • 3ヶ月〜半年以内:21%
  • 1年以上:13%
  • 半年〜1年以内:9%
フルリモートで採用されるまでにかかった時間

3ヶ月以内に採用が決まっている人が57%と、半数以上であることが分かります。ただし、半年以上かけて慎重に転職先を探した人も全体の22%と、5人に1人以上です。

期間は関係なく、自分に納得できる転職先が見つかるかどうかが重要といえるかもしれません。

面接に落ちた経験はある?

面接に落ちた経験については、以下のような回答が得られました。

  • 落ちたことはない:57%
  • 落ちたことがある(5社以下):33%
  • 落ちたことがある(10社前後):8%
  • 落ちたことがある(10社以上):2%
フルリモートでの採用面接に落ちた経験

面接で落ちたことのある人は全体の43%でした。

調査の回答を詳しく見てみると、フルリモート勤務を検討する人は以下のようなタイプに分けられることが多いようです。

  • もともとスキルを持っている人が、育児などの都合でフルリモートを希望した
  • 勤めていた会社がフルリモートでの勤務を認めた
  • 副業などからリモート勤務を始め、本業に切り替えた

フルリモートは、会社と従業員の信頼関係があってこそ。もともと勤めていた会社がフルリモートに切り替えた場合、コミュニケーション不足の問題などが発生しないため、就労も容易になる傾向がありそうです。

フルリモート転職成功者が面接中に心がけた6つのポイントとは

フルリモートでの転職活動を成功させた人が、転職活動中や面接中、内定や安定した受注先を得るために心がけたことについても調査してみました。

その結果、6つのポイントがあることが判明。それぞれ詳しく解説します。

1. コミュニケーションに関すること

まずはコミュニケーション能力を磨くことです。以下のようなポイントが挙げられました。

  • 連絡があった場合、すぐに返信できるようにする
  • 進捗をまめに共有できることを伝える

2. 自己アピールに関すること

自分のスキルや魅力について、オンライン上であっても過不足なく伝えられるよう努力した人は少なくありませんでした。

資格や実績などのほか、以下のようなポイントも、魅力の1つとして考える人が多いようです。

  • 長期的に働けること
  • リモートでも仕事の効率が落ちないこと

3. 子育てとの両立に関すること

育児との両立も、挙げている人が多い項目でした。育児中の人は、育児をしていない人に比べれば、業務の効率などが下がることも多いもの。以下のようなポイントを伝えることで、業務開始後のミスマッチを防ぐ人が多いようです。

  • 応募の段階で、育児に対する理解がある企業を中心に就職活動を進める
  • 子育てとの両立を希望していることをしっかり伝える
  • 子どもが小さく、対応可能な業務とそうでない業務があることを伝える

4. 環境面に関すること

企業からのIT設備について支給などがない場合、自分のPCや作業環境がどの程度のスペックなのか、あらかじめまとめておく人もいました。また、就業のための部屋を確保できることも、印象をアップさせるためには重要です。

5. 時間管理に関すること

フルリモートワークの場合、オフィス勤務と違い、どのような態度で仕事に臨んでいるかどうかがはっきりと分からないことに不安を感じる企業は多いもの。納期や仕事に遅れを出さないアピールを心掛ける人もいました。

6. 態度・姿勢に関すること

面接における態度も、意識した人が多い項目でした。以下のようなポイントを意識する人が多いようです。

  • 身だしなみを整える
  • 受け答えは明瞭さを意識する
  • 誠実に仕事をしようとする意欲やポジティブな意見を伝える

フルリモート職で採用されるためのポイント

フルリモート職に応募する際には、オフィスワークとは異なる視点をもった転職活動が求められます。採用率を上げるためのポイントを紹介します。

ポートフォリオをしっかり作り込む

フルリモートワークは、応募者の実力を直接確認することが難しいため、ポートフォリオが重要な役割を果たします。自分の強みや実績を明確に伝えられるよう、ポートフォリオを充実させましょう。ポートフォリオには以下のようなポイントを盛り込んでみると、自分の人となりを伝えやすいのでおすすめです。

  • 具体的な成果物
  • どんなチームで働いたことがあるか
  • フルリモートで働きたい理由
  • 自分の性格
  • SNSアカウント、ブログなど

チームワークを強調

リモートワークでは、オフィスに通勤しての勤務よりもいっそう、こまめな報告や連絡が必要になります。リモートでチーム業務にあたった経験や、円滑にコミュニケーションを取れる自信がある場合は、伝えておくと安心です。

また、利用した経験のあるオンラインツールについても伝えておきましょう。

ツールの使用経験を伝える

使用経験のあるツールについては具体的に列挙しておきましょう。以下のようなツールは、職種に関係なく、リモートワークで使われることが多い傾向にあります。可能であれば一度触ってみて、使い方を把握しておくとよいでしょう。

  • Google Document
  • Google Sheets(スプレッドシート)
  • Google Meet
  • kintone
  • Slack
  • Microsoft Teams
  • チャットワーク
  • Notion
  • ギガファイル便
  • 各種SNS

責任感をアピール

「納期を守る」「納品物の質が高い」といった自負がある人は、ぜひ自己アピールに付け加えておきましょう。

エージェントと相談してもOK

フルリモートの案件を専門に扱っているエージェントを利用するのも一つの手段です。また、フルリモート専門のエージェントであれば、リモートで働く際に求められる資質やスキルについてもアドバイスがもらえそうです。

複数のエージェントに登録しておき、自分のニーズに合った案件がないかどうか、定期的にチェックしてみましょう。

フリーランスとして仕事を探すなら、フルリモート専門のエージェント「キャリモ」をご利用ください。あなたのスキルや経験に応じて、最適なお仕事をご紹介させていただきます。

まずはフリーランスで経験を積んでみるのもアリ

フルリモート職は、オフィスワークとは働き方が大きく異なります。いきなり転職するのではなく、まずは副業フリーランスなどの形で経験を積んでみるのも一つの選択肢といえるでしょう。

まとめ

フルリモート制度を導入している企業はまだ少なく、正社員としての採用のハードルは高いのが現状です。

一方で、ポートフォリオの充実やチームワークの強調、ツールの使用経験、責任感のアピールといったポイントを意識することで、採用の可能性が高まるケースも。まだ実践していない項目がある人は、ぜひ挑戦してみてください。

また、思うように転職活動が進まないときは、副業などでフリーランスとして働くことも検討してみましょう。

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